ミーティング・フォー・ブルネイ・2
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「いかにネームレベルとはいえ基本は空母だ。航空攻撃の火力は高いが、接近戦に弱い。初撃……それさえ凌ぎ切ればニライカナイの連中に頼るまでもない、そうだろう?」
用意されていた茶を啜り、武蔵が断言する。
「防げれば、ですけどね。この空母は単騎でニ航戦のコンビから制空権を奪い取る位には航空戦に長けています」
心配そうに翔鶴が呟く。
「でも、それは他の鎮守府の娘達の話でしょう?私達なら見敵必殺……負けるハズがありません」
「それは慢心が過ぎるぞ、赤城。敵は撃沈記録があるとはいえネームレベル……油断も過信も禁物だぜ?」
「すみません提督……では、懐かしの南雲機動部隊ならいかがでしょう?2隻で無理なら4隻で磨り潰してやります」
別名、ゴリ押しである。しかし、この手の真っ当な相手ならそれが一番確実だし、まさかの状況でも対応しやすい。
「随伴には対空能力の高い摩耶と……初月だな。秋月と照月は打撃部隊の護衛、凉月は鎮守府の防御だ」
「では、直接奴に仕掛けるのは私と金剛を中心とした打撃部隊を編成しよう。それでいいかな?筆頭秘書艦殿?」
武蔵が尋ねれば、金剛も黙って頷く。
「打撃部隊の方にも直掩機が必要じゃないですかね?」
「なら、そっちは私と翔鶴姉で行くわ。いいよね提督さん?」
「あぁ、それでいいだろ。雲龍達も考えたが、ここは燃費より総合力優先だ」
瑞鶴にそう返事を返す。しかしよくもまぁ戦術が決まれば編成会議の早い事。普段から作戦の立案から編成の相談まで自分達でやっているからな、こういう時にはスムーズに話が進む。そんな状況下で翔鶴は喉に何かつっかえたような顔をしていやがる。
「翔鶴姉、どうしたの?何か不満?」
何か言いたいのだが、その内容に躊躇いを感じているような、そんな顔だ。
「なんだよ翔鶴、言いたい事があんならハッキリ言え。迷いを抱えて出撃すると死ぬぜ?」
「……提督、この作戦は我々だけでネームレベルを倒す為のプランですか?それとも『蒼征』率いるニライカナイ艦隊が来るまでの時間稼ぎが目的ですか?もし前者なら……我々だけでネームレベルに勝てるとお思いですか?」
「愚問だな。そもそも何であの性悪狐がフィリピン海を戦場に選んで、俺に囮を頼んできたと思う?次の奴の狙いがウチだからよ。どうせ巻き込まれるなら先手を打って、ついでに囮役もやって貰おうってな」
俺の推測だが、ほぼ外れてはいないだろうという確信がある。あいつはそういう野郎だ。
「『蒼征』の到着が早いか、リバースド・ナインの到着が早いか……そんなチキンレースの観客でいるつもりはサラサラ無いんでな。それにあぁして事前に準備をさせるように電話してきたって事は、恐らくリバースド・ナインの方が
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