「少しお話ししませんか?」
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「どどどどどっ、どうする!?」
「ガーネットさん、落ち着いてください!」
そうしてガーネットが慌てている間にも、《リトルネペント》の群れは押し寄せてきていた。森の木々を避けながら来ているために侵攻スピードは遅いが、森の中ゆえに周囲全てから迫っている。どう見ても逃げる隙間などなく、ユイの落ち着けという言葉も届かない。
「お、落ち着けって言われても! ……もしかして、プレミアさんならなんとかなるとか!?」
「いえ。初めての経験です。ワクワクします」
「ワクワク……?」
とはいえ同じ状況にもかかわらず、プレミアの落ち着きようから彼女に助けを求めるものの、まさかワクワクしているとはガーネットは夢にも思わず。もちろんユイに戦闘能力がないことは分かっていて、ガーネットは打つ手なしだとうなだれる。
「……まあ死んでも町からだからいいけどさ……」
「確かにわたしではダメですが、ガーネットならなんとかなりませんか?」
「諦めるのは早いですよ!」
「え……わ、アタシが?」
ガーネットが諦めて座りかけた瞬間、二人に手を引かれてまだ《リトルネペント》がいない方向へと走り出した。とはいえ敵がいない訳ではなかったが、触手の動きは先の一体で掴んだプレミアが、そのままの勢いをつけた単発突撃系のソードスキルで仕留めてみせて。その隙にユイがウインドウを表示し、走りながらガーネットに説明する。
「この魔法、お願いします!」
その魔法は、サラマンダーが得意とする炎系の上級魔法。本来ならば初心者のガーネットが使える魔法ではないが、つい先ほど使い道がわからず放置していたスキルポイントを全て魔法に振ったために、一応は使えることとなっていた。
「これ……でもアタシのMPじゃ……」
しかして本当に使えるかというと別問題であり、先ほど魔法使いになろうと決めた程度のガーネットでは、今までの戦闘の消耗分を補うことは出来ずに。やはり無理だ、と首を振るガーネットに、透明の小瓶が投げ渡される。
「MPポーションです。どうぞ」
それはプレミアが、何かショウキたちの役に立ちたいと買い込んでいたMPポーション。あいにく今まで使い道はなかったが、実におこづかいの三割がポーションの購入に当てられており、その効果はMPの上限の一時的な上昇。ようやく買っていたポーションが役に立つことに内心で喜びながら、プレミアは師匠に教わった通りに細剣を構え、ガーネットを守るように後に続く《リトルネペント》と対峙して。
「わたしが時間を稼ぐので、あとはお願いします」
「……おう、任せろ!」
そうして正確無比な細剣の一撃がまたもや《リトルネペント》を貫き、そのうちの一体をポリゴン片に変える。とはいえプレミアもこのような
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