第二章
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その周りに穴を設けました、お部屋の中ですがそうしてです。
その上に床と同じ色の覆いを敷かせました、そのうえでなのでした。
自分は毎晩その部屋に寝ました、その間にです。
まずは四人の大臣のうち一人が来ました、そして見事その穴に落ちたところをでした。
捕まえて縛ったその姿をこっしりと王様をお部屋に呼んで王様に見せてです、こう言いました。
「まずは一人ですね」
「そうだな、人のものを盗もうとするとか」
「不埒者ですね」
「全くだ、その様なものを大臣にしておくなぞだ」
人のものを盗む様な悪い人をというのです。
「出来ない」
「では」
「この者を追放にする」
王様は強い声で言いました。
「この国からな」
「いえ、お待ち下さい」
アマラデヴィはここで王様を止めました。
「それはまだ早いです」
「早いというのか」
「はい、悪い大臣はまだ三人います」
「その残る三人もか」
「はい、必ず私のダイヤを盗みに来ます」
「そうしてくるからか」
「この大臣は差し当たっては牢に入れて」
そしてというのです。
「そのうえで旅行に行ったとでも言って」
「捕らえたことは隠しておくか」
「そうしておきましょう」
「そうして残り三人を警戒させないか」
「そうして彼等がどういった者達かもお見せしましょう」
これがアマラデヴィの考えでした、王様はそれは名案だと思い今回もアマラデヴィの言うことに従いました、すると次の日そしてその次の日また次の日にでした。
大臣達は一人ずつ夜にアマラデブィの部屋に忍び込んで彼女のダイヤを盗もうとして落とし穴に落ちてしまいました、そして四人全員を捕まえたところで、です。
アマラデヴィは王様にこう言いました。
「御覧の通りです」
「うむ、その者達はな」
「大臣にいさせ続けてはなりません」
「すぐに辞めさせてだな」
「そうしてです」
そのうえでというのです。
「別の正しい人達を大臣にしましょう」
「わかった」
王様は王女の言葉に頷きました、そしてです。
彼女の言う通りすぐに四人の大臣達を追放して他の正しい人達を大臣にしました。そうして国はこれまで以上によくなりました。
それで王様も王妃様も太子もアマラデヴィの言葉をいつも聞いて政治を行っていき国はさらによくなりました。カンボジアの古い古いお話です。
賢い王女 完
2018・6・11
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