第四章
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「あと少しで戦争も終わりか」
「そうだな、もうドイツ軍の戦闘機も殆ど来ないしな」
バーンは窓の外を見つつボンズに答えた、丁度今爆撃を終えたところだ、
「それじゃあな」
「ソ連軍はベルリン囲んだんだろ」
「そうなったらもうな」
「戦争も終わりだな」
「ああ、まだ日本軍と戦っているけれどな」
それでもというのだ。
「欧州の戦争自体はな」
「そろそろ終わりだな」
「そうだな、それじゃあ俺達も今回の出撃でか」
「終わりでな、黒騎士もな」
バーンはその彼のことにも言及した。
「出て来ないしな」
「死んでないよな」
「いや、各地に爆撃をしているからな」
「その中でか」
「死んでいるかもな。夜間戦闘に回されてな」
イギリス軍相手のそれにというのだ。
「最近出撃しているって話も聞かないしな」
「それでか」
「もう死んだかもな」
「そうか、じゃあもうか」
「二度と会わないだろうな」
「レーダーに反応」
だがここで報告が来た。
「上空にドイツ機」
「くそっ、ここで出て来るか」
フランクはその報告を聞いて舌打ちして言った。
「爆撃が終わったのにな」
「二十機いますね」
「今のドイツ軍にしては多いな」
フランクは今はレーダーを見ている副機長の報告に眉を顰めさせた。
「二十機なんてな」
「そうですね、では」
「ああ、護衛戦闘機もいるしな」
「密集編隊で、ですね」
「やり過ごすぞ、銃手は配置につけ」
フランクは何でもないといった調子で言った。
「こっちは爆撃機は二百、戦闘機は一六〇だ」
「相手はたった二十」
「恐れることはないですね」
「若しジェット機が来ても」
メッサーシュミット262だ、ドイツ軍が実用化した世界初のジェット戦闘機で連合軍にとっては脅威の一つになっていた。
しかしだ、そのメッサ―シュミット262が来てもというのだ。
「この数だぞ」
「多勢に無勢ですね」
「密集して弾幕を張れば」
「護衛戦闘機も多いですし」
「幾らジェット機でも大丈夫だ」
相手にならないというのだ。
「たった二十機じゃな」
「そうですね」
「じゃあ安心ですね」
「俺達は生きて帰れますね」
「無事に」
「そうだ、だから配置につけ」
ボンズにもバーンにも言うのだった。
「いいな、イギリスに帰ったらな」
「これで、ですね」
「俺達の戦争は終わりですね」
「アメリカに生きて帰れますね」
「そうなるからな」
それでとだ、フランスは操縦をしつつ自身が動かす機の乗員達に言うのだった。
「落ち着いて弾幕を張れよ」
「わかりました」
「そうしていきます」
ボンズもバーンも応えた、そしてだった。
彼等はそれぞれの配置についてドイツ軍を待った、するとだった
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