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恐ろしい王女
第四章

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「そして負ける」
「そうなってしまうな」
「ここまで勝ち続けただけでも見事だが」
「王女を妻には出来ない」
「流石にそれは無理だ」
 これが大方の見立てだった、実際にアタランテもメラニオンに勝負の前に言った。
「これまでは敗れてきましたが」
「それでもだな」
「弓矢は私の最も得意とする武芸」
 だからだというのだ。
「敗れることはありません」
「そしてか」
「貴方は私を妻にすることは出来ません」
 このことも言うのだった。
「決して」
「そう言うか、しかし勝負はまだはじまっていない」
「だからですか」
「それは勝負が終わってから言おう」
「でははじめよ」
 王は強い声で二人に告げた。
「近頃国の畑を荒らす鳥達がいるがだ」
「その鳥達をですね」
「空を飛ぶ鳥達を」
「その弓矢で落としてもらう」 
 これを勝負とするというのだ。
「畑の害を除くという意味でもな」
「民と国を守る為にも」
「この度はですね」
「そうしてもらう、撃ち落とした鳥達はだ」
 イアソスはその鳥達のことも話した。
「後で食うことにする、干し肉か燻製にしてな」
「そうしてですね」
「長い間食っていくのですね」
「そうする、ではいいな」
 勝負をはじめよとだ、王は告げた。そしてだった。
 二人で空を飛び畑を荒らす鳥達をそれぞれの弓矢で撃ち落としていった、空を飛ぶ鳥達を一羽一羽射抜くことは難しい。だが。
 二人はそれぞれ外すことなく撃ち落としていった、そうして。
 勝負は続いた、そして最後の一羽ずつとなり。
 アタランテは空の高いところを飛ぶ鳥を狙ったがそれはだった。
 外した、しかしメラニオンは。
 自分の鳥を射抜きそしてだった。
 アタランテが外したその鳥も射抜いた、王はそれを見て言った。
「勝負ありだな」
「はい、そうですね」
 勝ったメラニオンが応えた。
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