第三章
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首都ソウルも占領した、その中で金は混乱する部隊が南に南に壊走していく中で北朝鮮軍の攻撃を見た。その攻撃はというと。
ソ連軍の戦車であるT−三四を前面に出して攻めてきていた、戦車のその突進での火力と衝撃力で韓国軍を圧倒していた。
そこにも砲撃が加わっていた、しかし。
その攻撃を見て金は思うことがあった。だが今は壊走する自軍の中で何も出来ず結局釜山まで退いてだった。
そこからはアメリカ軍を中心とした国連軍の助けを借りてそのうえで戦うだけだった、そうして戦争が終わり。
金は平和が戻った韓国を去った、祖国に戻ってから戦争が終わるまでずっと見て来たものに嫌なものを感じそうしたのだ、そしてアメリカに家族と共に移住して国籍もアメリカに移して暮らす様になった。その中で。
彼は住んでいたハワイでその話を聞いてまさかと言う顔で英語でその話をしてくれた知人であるハワイアンの老人に尋ねた。
「それは本当かい?」
「ああ、この前ここに自衛隊の人達が来てね」
「その中にか」
「安本さんって人がいたよ」
「そういえば日本軍が復活していたな」
金はこのことに懐かしさを感じつつ言及した。
「俺も昔いたよ」
「あんたあそこの士官学校出て日本軍にいたんだよな」
「ああ、今じゃ普通のガードマンだがな」
ただし元軍人であり銃だけでなく格闘技も出来るということで勤務している会社では重役にまで抜擢されている、将校だったことからの指導力も評価されてのことだ。
「そうだったよ、昔はな」
「それで今度真珠湾に自衛隊の人達が来るけれどな」
「その日本軍がか」
「いや、自衛隊だからな」
老人は笑ってこのことは訂正した。
「名前は違うんだよ」
「ああ、それは違うんだな」
「そこはしっかり覚えておいてくれよ」
「わかった、自衛隊だな」
ここで金も納得して頷いた。
「何しろ日本軍にいたからな」
「それでそっちに愛着があってか」
「ああ、日本軍にずっといたかったよ」
今はアメリカ人だがこう言うのだった。
「韓国軍は祖国の軍隊と思ったらな」
「違ったか?」
「やっぱり俺の当時の国は日本だったんだな、士官学校にも行ったしな」
陸軍のそれにというのだ、彼にとっては士官学校での厳しい日々も懐かしい日々だ。
「それからずっと半島には帰ってなかったしな」
「戦争が終わるまでそうでか」
「インドシナに行ったり本土に戻ったりしてな」
金が言う本土は日本だ、ここにも彼の考えが出ていた。
「それでだったからな」
「半島に戻ってもか」
「ごたごたしてばかりで酷い戦争があってな」
「それでこっちに来てか」
「ああ、やっぱり俺は日本人だったんだなって思ったよ」
心はこの国にあったというのだ。
「本当にな」
「そうだったんだ
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