猫娘と神野区異変編
NO.084 個性の再認識と目覚め
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ことによって喜ぶ一同の表情に影が落ちる。
よく見れば数名の姿が見えないことに気づいた爆豪は、
「出久は……? それにここにいねぇ奴らはどうなった!?」
「その、デクちゃんは……」
それでお茶子が泣きそうになっていた。
そこに飯田がお茶子の肩に手を置き、
「爆豪君……今ここにいるのはヴィランのガス攻撃でいまだに意識が戻っていない耳郎君に葉隠君、そして頭を強く打ってここに入院している八百万君と……そして最後に、ヴィランに誘拐されてしまった緑谷君を除いた15名だよ……」
飯田は実に悔しそうに爆豪にその事実を伝えた。
それを聞いて爆豪は呆然とした表情になった後、少しして再起動を果たして、
「はっ……? 出久が誘拐、されただと……? 嘘だろ?」
「…………」
飯田を含めて全員は沈痛の面持ちで無言であった。
中には涙を目じりに溜めているものが数名……その数名は女子達である。
「…………ふざけんな。ふざけんなよ!! なんであいつなんだよ!?」
「おそらくは……ヴィランに緑谷君の情報が伝わっていたか、もしくは知られていたのだろう……」
「そんな事を言ってんじゃねぇ!! 俺が言えた義理じゃねーが、誰か出久の事を守ってやれなかったのか!!?」
そう言われて飯田、轟、障子の三人が肩を震わせる。
障子は常闇を救い出すことができたから非を感じることはないだろう。
だが、飯田と轟は責任を感じていた。
飯田はあの時、痛みで転ばずにもっと足の火傷を我慢していればもしかしたら出久の事をいち早く救い出せていたかもしれない。
轟も轟であと一歩のところまで来ていたが力及ばずに荼毘に先を越されてしまった。
二人はそんな後悔の念で胸がいっぱいだった。
「すまねぇ、爆豪……俺がもっとうまくやっていれば緑谷は……」
「轟君……君だけの責任じゃない。俺も……足の火傷を我慢していれば……」
「だが……」
飯田と轟はお互いに譲らない言葉を言い合っている。
だが、爆豪は現場にいなかったのでそんな心情など知る由もなく、
「てめぇら……ッ!!」
立ち上がろうとして、眩暈を起こして前に倒れそうなるところを切島に受け止められる。
「無茶すんな爆豪! おまえはまだ大量出血の影響で点滴中なんだからよ!」
「そんなん知るか!」
と、もう爆豪は冷静でいられる精神状態じゃなかった。
今すぐにでも出久を助けに行きたい気持ちでいっぱいだったのだ。
そんな爆豪を見て切島がある事を提案する。
「今はゆっくり休めよ。緑谷を助けに行ける計画は一応はあんだよ」
「計画、だと……?」
「ああ」
それで爆豪も含めて病室にいた全員が目を見開いた。
特に飯田は過去の経験から険しい目つきになっていたのは言うまでもない
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