47部分:第三話 甘美な奇蹟その十二
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り額が広い。顎髭は頬髯と一緒になっておりそれが哲学者めいた印象を見せていた。
絹の服を着たその男はだ。聖金曜日の日に項垂れて自らの墓碑まで置いてそこに書いていた。
『無名の騎士団の騎士に叙せられることさえなく名を成すことのなかった』
こう書いてだ。そしてだった。
『ワーグナーここに眠る』
この言葉を書き残して姿を消した。だがそこでショーウィンドウーの若い、まだ太子である彼の肖像を見て一言呟くのであった。
「素晴しい方だな。必ず何かをされるだろう」
このことを直感で感じ取ったのであった。だが今は項垂れたままミュンヘンを去るのでだった。王が命じる少し前のことであった。
第三話 完
2010・11・26
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