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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第81話:クリスマス
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。僕は先に行くよ」
賢はもうこれ以上顔を見たくないとばかりに飛び出した。
「あんたら、情けないと思わねえか?自分の息子に僅かの信用すらされずに切り捨てられてさ」
「私達は…」
「私達は大人になって親になってもあんたらみたいに贔屓なんて絶対にしないわ。片方を贔屓して片方を蔑ろにしたその結果が一乗寺治なんてとんでもない超大馬鹿を作ったんだから!!」
京も賢を追い掛けて一乗寺家を飛び出した。
「…最低」
「僕はあなた方を軽蔑します」
ヒカリと伊織も勢い良く飛び出す。
「まあ、親としての反面教師にはなったね。失礼します、大輔君…急ごう」
「悪い、タケル。先に行っててくれ」
「…分かったよ、でも大輔君。急いでね」
「ああ」
タケルもまた一乗寺家を飛び出した。
「………一乗寺治は今年か来年の始め辺りに連れ戻すつもりだ」
「本当に!?治ちゃ…」
治が帰ってくるかもしれないということに破顔したが、大輔の冷たい表情に言葉が出ない。
「あんたらは精々一乗寺治が帰るまでに今までの自分達の行動と言動を省みろよ。またあんなどうしようもない馬鹿を出したら今度こそ許さねえからな!!」
それだけ言うと扉を勢い良く閉じた。
残された両親は膝をついた。
「な、なあ…俺達…賢を蔑ろにしてたか…?賢を治の代わりにしようとしていたのか…?」
「私…達は…」
2人の脳裏に過ぎるのは賢の祖母の言葉である。
平等に見てあげろという言葉。
少しずつ少しずつ自分達の行いが間違っていたのではと気付き始めていた。
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