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永遠の謎
469部分:第二十八話 逃れられない苦しみその十三
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第二十八話 逃れられない苦しみその十三

「一面しか見ることはできないのだ。しかもその一面もだ」
「余計なものが入りますね」
「そうですね」
「愚か者は一面しか見られない」
 今度はこうも言うビスマルクだった。彼の辛辣な人間評も出た。
「だからだ。同じ時代においてはだ」
「あの方は理解されない」
「殆んどの者に」
「この世は僅かの賢者と無数の愚か者からなる」
 つまりだ。賢者はだ。圧倒的少数だというのだ。
 その圧倒的多数の愚か者にだ。王も囲まれているというのだ。
 無論ビスマルクもだ。しかしだった。
 彼はその愚か者達を何とも思っていなかった。それだけの強靭さがあるからだ。伊達に鉄血宰相とまで呼ばれている訳ではないのだ。
 だが、だ。バイエルン王はどうかというと。それだった。
「あの方は愚か者に誤解されその言葉と視線に苦しめられている」
「それが今ですか」
「あの方の」
「あの方の素晴らしさは今は殆んどの愚か者に誤解される」
 そうなってだというのだ。
「しかし未来は」
「その未来は」
「どうなのでしょうか」
「あの方は後世になり理解される方なのだ」
 いささかだ。ビスマルクは芸術家を評する口調になっていた。
 その口調をだ。ビスマルクはあえて続けてだった。
「今はわからないのだ」
「左様ですか」
「ではあの方の婚約破棄もですか」
「今は誤解されている」
「そういうことですか」
「そうだ。私はわかるが」
 ビスマルクはだというのだ。
「そうしてだ」
「殆んどの者は理解できないのだ」
「ではそのバイエルン王にですね」
「慰めを送られて」
「そのうえで、ですか」
「助けられますか」
「御助けしたい」
 はっきりとだ。言い切ったのだった。ここでも。
「何としてもな」
「公でも私でも」
「そうしてですか」
「だが私は悪人だ」
 今度はこんなことも言うビスマルクだった。
「あの方を利用することもある」
「では。あのことにですか」
「どうしてもですね」
「推挙してもらうのですね」
「そうだ。皇帝に自ら進んでなる」
 このことを言った。
「それはよくはない」
「鷹は爪を隠すものですから」
「その通りですね」
「自ら野心を出す者は愚か者に他ならない」
「ナポレオン一世でしょうか」
「それは」
「そうだな。だがあの男はそれが様になっていた」
 彼の場合はだ。そうだというのだ。
「だがそうした者は稀だ。ましてやだ」
「ましてや?」
「といいますと」
「陛下は代々プロイセン王だ」
 そこにあった。野心を見せられない理由は。
「気品と風格があるのだ」
「それをですね」
「どうしても護らなくてはならない」
「何があろうとも」
「そうだ。絶対
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