口入れ屋の能力(チカラ)
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に抵触する話ですので無闇に他人には語れないのですよ。それより今は、ニナさんの心配をしなくては」
とはぐらかされた。
「さて……不躾ではありますが、貴女と会話している最中に【鑑定スキル】で貴女を見させて貰いました。確かに貴女の仰る通り、犯罪を犯した事はなく、年齢も詐称していない。ここで嘘を吐くような人間はそもそも、信用どころか話を聞くにすら値しない。その上で、ニナさんにスキルが無いかどうかをチェックしていました……その結果がこちらです」
そう言ってシュートは1枚の紙をニナに手渡した。先程、会話をしながら何かを書き付けていた紙だ。そこには、
【裁縫】:V
【料理】:U
【掃除】:U
【山歩き】:T
【農業】:U
と書かれていた。
「ニナさん、貴女は何も出来ない訳ではない。これだけのスキルが貴女には芽生えている。それは貴女自身の努力の結果です、誇りなさい」
「は……はい………っ!」
田舎から半ば捨てられるように出てきた少女のその目には、明日への希望と目の前の男への感謝が浮かんでいた。
「さて、ニナさんのスキルを見る限り仕事は街の中ならば幾らでも見つかりそうです」
「ほ、本当ですかっ!?」
「えぇ。料理と掃除の2つのスキルがその若さで備わっているのは素晴らしい。住み込みで良ければ大店や貴族の使用人としての雇い口はすぐにでも紹介できます」
ですが、とシュートはその言葉を切る。
「裁縫スキルがレベル3もあります。これを活かした方が更に稼げる」
裁縫レベル3、というのは熟練の針子レベルだ。それも『才能ある』という枕詞が付く。縫い物の技能だけでも相当な物なのだろう。だが、シュートの顔は未だに険しい。
「腕のいい針子、というだけでは少し弱い……か。何か売りに出来る部分……家事全般に精通?いや、それならばメイドの方が……」
等と、ブツブツ呟いている。
「あの……シュートさん?」
「え?あぁはい、何でしょう……か?」
不安になったニナが話しかけるが、シュートの視線は一点で固まったままだ。
「あのぅ、私の頭に何か付いてますか?」
「いえ、その髪飾りが中々に珍しい物だったので」
「あぁ、コレですか?」
髪を束ねていたそれを外すと、僅かにウェーブのかかった金髪がはらり、とほどけて肩にかかる。ポニーテールの際は活発な印象だったが、髪を下ろすとお淑やかな印象に変わる。その美貌も強みになるな、とシュートはほくそ笑む。
「そちらは?」
「これ、私の手作りなんです。いらなくなった服なんかの端切れを貰って、それで……」
「ふむ……見せてもらっても?」
「えぇ、どうぞ」
ニナから受け取った髪飾
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