98話:第三次ティアマト会戦(開戦)
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たらそれを逆手にとって、突進を受け流しな回り込むように展開し横陣を構築する。左翼のルントシュテット艦隊が叛乱軍の右翼後方に回り込むので、退路があるように見せかけつつ包囲を狙う。良しなに頼む」
「承知しました。では我々は適度に逃がしながら袋の出口をなるべく細くするように動きます。他に留意すべきことはございますか?」
「半包囲が完成するまでは少し負担がかかるはずじゃ。ミュラー准将との連携を密にして攻防のメリハリをつける事と、アイゼナッハ大佐とメンテナンスのタイミングを合わせておくようにな。まあ、今更言うまでも無かろうが......」
「いえ、ご鞭撻ありがとうございます。両名とも再度すり合わせをしておきたいと思います」
俺の敬礼に答礼するとメルカッツ提督が通信を終えられた。まずはミュラー准将に通信を入れる。すぐに通信チャンネルがつながり、准将が敬礼しているのが映った。
「准将、我々は袋の出口を確保する役回りになりそうだ。戦線を維持するとともに、周辺で再度戦列を整えさせないことも必要になるだろう。半包囲が完成するまでは我々の負担は大きいはずだ。負担をかけるがよろしくお願いする」
「は!小官は粘り強さだけは自信がございます。お任せください。袋の出口を狭くするという意味で、意図的に長距離ビーム砲撃に濃淡を付けようと思いますが宜しいでしょうが?」
「うむ。提案を採用しよう。濃淡のパターンは戦術システムにアップロードしておいてくれ、攻勢をかける際にタイミングを合わせるつもりでいるからな」
「承知しました。もし濃淡のパターンに不備があればご指摘をお願いします」
答礼をしてから通信を終える。旗下に配属されてからシミュレーターで手合わせもしたが、ミュラーは戦線の維持と戦力を保持しながら消耗を誘う事に長けた人材だ。唯一の活路の番人としてはこれ以上の人材はいないだろう。続いてアイゼナッハ大佐に通信を入れる。こちらもチャンネルがつながると同時に敬礼した姿が映った。
「アイゼナッハ大佐、我々の役割は袋の出口の確保だ。半包囲が完成するまでは忙しくなるだろう。少しでも余裕があればメンテナンスをこまめに行う。よろしく頼むぞ」
「......」
大佐は2回うなずくと敬礼した。答礼して通信を終える。うなずき2回は『安心して任されたし』だったか。無口な男だが、心憎い配慮を欠かさない人物だ。シミュレーターで手合わせも行ったが、どんな役回りもそつなくこなす能力がある。それに僚友たちの動きに合わせて気遣いのある動きをするのに長けている。実際の訓練では俺の分艦隊のメンテナンス効率が劇的に向上した。どちらかと言うと攻勢に寄っている俺の補佐役として、ありがたい存在だ。
「ラインハルト様、戦術システムのリンクが完了しました。長距離ビーム
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