§5 課題山積みの魔王
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」
「流石にそれはない……だろう、うん。大打撃受ける程度じゃないかな? 多分。なにあの剣……」
顎が外れたように見つめることしか出来ない主従。いざ援護しようとした矢先、意味不明な剣により戦局がひっくり返りそうな気配だ。神や魔王の戦いは不条理であるとはいえ、目の当たりにすると驚きを通り越して呆れてしまう。
「神力を直接攻撃したのか? ゲームで言うならMP攻撃? それとも特殊能力破壊?」
幽世で引きこもりをやっていた黎斗は、まつろわぬ神と戦った事は数あれど、同族たるカンピオーネが戦ったことがない。傍観者として見るのもこれが初めてだ。しかし傍観者になってみると迫力が凄い。最初に見た他人の権能が非常に強力であったが故に、我を忘れて二人の戦いに見入ってしまうことになってしまった。
「護堂、強いね」
我を取り戻し、感心したように呟く黎斗。何の権能か依然彼にはわからない。わからないが光り輝く剣がアテナの神力を大幅に減らしてしまったことにより互角の争いを繰り広げる両者。急いで来る必要なかったのではなかろうか。なんとかなりそうだ。そう思いながらアテナの方を見る。流石と言うべきか、予想以上にしぶとかった。
「あー、アテナの方が余力あるっぽいなこれ」
「護堂様は善戦なさっていると思います。しかしアテナ様は闘神でもあらせられる。一枚上手なのはやむを得ないかと」
介入するか。黎斗は考える。いくら鈍っていたとしても、ここで彼が参戦すればおそらくアテナには勝てる。だが、それでよいのか。
「護堂にも強くなってもらった方がいいよねぇ。なんかこれからも多くのトラブルに巻き込まれるような気がするし」
「正体がバレるのがイヤだから介入しない、とは流石に言われませんね」
どことなくからかうようなエルの声。
「あたりまえですー バレたら幽世に戻るだけで済むっつーの。そんなことで友達見捨てませんー」
方針はここに決定した。傍観である。ただし護堂が危なくなったら即座に介入する。彼にはこの先生き残るため、まつろわぬ神を安定して倒すための戦闘経験が必要だろう。
アテナが有利な状態を維持し続けられるか、護堂が会心の一撃を与えるか。パッと見、前者に見える。
先に動いたのは、護堂。なにかを呟いた、と思えば突如空が明るくなり、天から太陽が降ってきた。
「え? えー!?」
慌てる黎斗。護堂は一柱の神から権能を簒奪したのではなかったのか。
「複数を扱うタイプの権能ですか…… 条件型? 代償型? 複数タイプでこれだけ強大ならノーリスクなんて甘い話はないでしょうし」
これでノーリスクだったら酷すぎる。光り輝く剣とこの太陽を乱発されれば黎斗だって負けかねない。とくにあのチートじ
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