暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「冬寂月」
六十三

[8]前話 [2]次話



 夜半にかかる

  片割れの月の

   幽かなる

 侘びし影にそ

     想い映しぬ



 真夜中に差し掛かろう時…見上げれば、半月が地を照らす…。

 未だか弱き光り…それは侘びしさを忍ばせ、過ぎたる時を偲ぶには良いかも知れない…。

 手の届かぬ過去…決して叶わぬ恋…。

 未練と後悔が、落ちた影から手を伸ばす…。



 霜見月

  安之堀川

   流れなく

 時と流るは

    想いなりける



 十一月も終わり近く…見れば、安之堀川の水も細々としている。

 本格的に冬になると思うと、憂鬱な気持ちになり…後どれ程の時を過せば、私は寂しさから逃れられるのだろう…。

 水のない川…時と共に、想いさえ流してきているのかも知れない…。





[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ