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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
96話:銃後の闘い
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。変な憶測で名誉を汚すようなことはおやめ頂きたいですわ。心外です」

「そうかね?まあ、私は『右派』と敢えて表現したし、『右派』の関与は事実だろう?それにあなたは『右派の党首』のはずだ。個人で関与していなかったとしても『右派全体』の行動に責任がある立場だ。新人時代から感じていた事だが、自分の立場と発言にもう少し責任を感じられては如何かな?出来もしない事をぶち上げて、対抗論は暴力で封殺する。この有り様はどこかで聞いた覚えがあるな......。ああ、思い出したよ。独裁制そのものだな」

「まあまあ、レベロ議員その辺で。ウインザー議員、ここは議論の場だ。主張をする機会を奪うような発言は控えて頂きたい」

『空っぽ女』がそろそろ金切り声をあげ出す頃合いで、サンフォード議長がたしなめに入った。普段は『石橋をたたいて渡らない』議長も、水に落ちた犬よろしく落ち目の右派に少しは嫌味でも言いたかったのだろうか?単に金切り声を聞くのが嫌だという気もするが......。そしてレベロ議員は普段より言葉にとげがある。横に座るホアン議員も渋い顔をしている所を見ると、憂国騎士団の一件をかなり腹に据えかねているといった所だろう。

「左派としては『戦況が劣勢』であることを踏まえても、今回の一件には賛成しかねる状況だ。戦争に勝つためとはいえ、門閥貴族と手を結んだ場合、彼らが勝てればよい。だが負けた場合、帝国の民衆たちは同盟を『自分たちの敵』と認識するだろう。そうなれば、『皇帝と叛徒の戦争』から『自分たちを害する者との戦争』に塗り替わってしまう事になる。また門閥貴族側が勝利したとして、どんな条件になるのかは分からんが、それこそ契約が履行される保証はない。『賛成』するにはリスクが大きすぎる案件だと思うがね」

レベロ議員の発言の途中で、『空っぽ女』が金切り声をあげたが、議長が控えるように身振りで示すと悔しそうな表情で黙った。自分の事を特別だとでも思っているのだろうか?人の話を聞かない人間がなぜ自分の話は聞いてもらえると思うのか?一瞬、彼女の思考を把握したい気もしたが、私もそこまで暇ではない。もう政治生命が終わりつつある人物の事など、気にする必要もないだろう。

「中道右派を代表させてもらうと『門閥貴族と密約を結ぶ』事には反対だ。軍部からは兵たちの士気への影響を懸念する意見が強い。戦況が劣勢であることを踏まえても、最高評議会が全会一致で賛成すると、暗に軍部への不信任と取られかねない。私はすでに『反対』を投じる事を決めている」

「まあ、そもそも戦況の劣勢は軍部の責任が大きいのに、国防委員長が『反対』されるのですか?少しは責任と言う物を感じて頂きたいところですわ」

「そうかね?劣勢なのは軍部だけの責任ではないと私は思っているが?戦死者数が圧倒的に向こうが少ない事が分
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