第六章
[8]前話
ローストチキンを出したシスターに微笑んで言った。
「豪勢ですね」
「ローストチキンでしたら」
シスターは料理を見て言った神父にこう返した。
「よく食べていますが」
「鶏肉自体がですね」
「神父様も私も好きで」
「安いので」
「よく食べていますが」
「そうした意味ではなく」
今言った豪勢という意味はというのだ。
「クリスマスにです」
「ローストチキンを食べられること自体が」
「そのことがです」
まさにというのだ。
「豪勢です」
「食べるべき時に食べるべきものを食べられる」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「今申し上げたのです」
「そうでしたか」
「しかもワインもあります」
一人ずつに。合わせて二本のボトルがあった。
「尚且つ最後はですね」
「ケーキもあります」
シスターは神父に答えた。
「毎年ですがご近所から頂いています」
「ケーキ屋さんからですね」
「そうですか、そこまであれば」
「豪勢ですか」
「これ以上はないまでのご馳走です」
神父は笑顔で述べた。
「豪勢というのなら」
「これ以上はないまでに」
「豪勢なものです、私達は幸せですね」
「神のご加護ですね」
「まさに。そして周りの方々のご厚意がです」
ミサの時のことも思い出してだ、神父は言うのだった。
「私達に最高のクリスマスを下さっています」
「そしてそのことに感謝して」
「ご馳走を楽しみましょう」
「それでは」
「ただ。鶏一匹丸ごとは」
そのローストチキン、神父は自分が豪奢なご馳走だと言ったそれを見たまま少し苦笑いを浮かべてこうも言った。
「多いですね」
「では明日もですね」
「はい、楽しみましょう」
「それでは」
こうしたことを話してだ、二人でローストチキンとワインそしてケーキを楽しんだ。二人にとって最高のクリスマスを。
クリスマス=キャロル 完
2018・11・28
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