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クリスマス=キャロル
第三章

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「信仰があるかどうかはやはり気になりますが」
「それでもですね」
「主の生誕が祝福されているのですから」
「嬉しいことですね」
「まことに。ではです」
「クリスマスはですね」
「いつも通りです」
 毎年通りというのだ。
「過ごしましょう」
「私達の教会でも」
「そうしましょう」
 こうシスターに言うのだった。
「変わらずに」
「それでは」
「その様に。そういえばこの教会はカトリックですが」
 神父はシスターに宗派の話もした。
「私自身そうですがカトリックかプロテスタントか」
「そうした違いはですね」
「日本では殆ど意識されていませんね」
「そうですね」
「このことは素晴らしいことです」
「左様ですね」
「私は他の宗教の方々ともです」
 仏教や神道ともというのだ。
「よくお話をしてよくして下さっていて」
「プロテスタントの方々ともですね」
「親しくさせて頂いていますが」
「そのこともですね」
「よいことだと思っています」
「そうですね、日本では」
「キリスト教の宗派の違いは」
 それはと言うのだった。
「実に小さなこと」
「同じ神を信じている」
「同じキリスト教です」
「だからですね」
「はい、まさに」
 このことはと言うのだった。
「神がまことに喜ばれている国にも思えます」
「宗派、宗教の違いを越えている」
「そうして共に語り合い親しくなれる」
「そのことがですね」
「私は素晴らしいと考えています」
 カトリックとプロテスタントそして他宗教とも垣根を越えて交流しているからだというのだ。
「何よりも」」
「そのことはですね」
「シスターもそう思われますね」
「はい」
 シスターは神父の言葉に笑顔で答えた。
「心から」
「そうですね、同じ神を信じるのなら」
「そして同じ宗教家ならば」
「争うなぞです」
「あってはならないですね」
「ですから今年もです」
「クリスマスに教会に来た人は」
「どなたもですね」
「共にです」
「讃美歌を歌うべきですね」
「それが神が望まれる姿です」
 まさにとだ、こう言ってだった。
 二人でクリスマスに向けて日々彼等のやるべきことを行っていった、そしてクリスマスの日になるとだった。
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