第一章
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クリスマス=キャロル
世の中はクリスマス一色になっていた、十二月になると日本でそうなっていない場所はなくなると言っていい。
ツリーが飾られサンタが出て来る、店の商品もクリスマスの緑と赤になり寒さを感じさせるが何かと賑やかになる。
だがその賑やかさの中でだ、東京の練馬区にあるカトリックの教会では若いシスターが礼拝堂で掃除をしながら共に掃除をしている年老いている神父に言った。
「もう十二月ですから」
「外に出ればですね」
「はい、賑やかになっていますね」
「本当にそうですね」
神父、洗礼名はヨハネという日本名平野公康はシスターアンリエッタ、日本名若林尚子に笑顔で応えた。若く奇麗な彼女に。
「今は」
「はい、賑やかで華やかで」
シスターは神父に彼女も笑顔になって応えた。
「そうなっていますね」
「はい、ですが」
「ですが?」
「日本のクリスマスは」
それはと言うのだった。
「信仰があるかというと」
「それはですね」
「我が国のクリスチャンの数は一パーセントです」
全人口のというのだ。
「その程度しかいないので」
「それで、ですね」
「はい」
まさにというのだ。
「国全体でクリスマスになっていても」
「そこに信仰があるか」
「それはです」
「わからないですか」
「ないと言えばそれもです」
「どうかとなりますか」
「はい、確かに神を祝福していますので」
このことも見られるからだというのだ。
「ないとも言えないですが」
「キリスト教国とはですね」
「違いますね」
このことは否定出来ないというのだ。
「やはり」
「そうなりますか」
「はい、ですが賑やかに人々が祝っているのは」
このことはと言うのだった。
「素晴らしいことですね」
「クリスマスという時を」
「私はそのことは嬉しく思っています」
信仰があるかどうかわからずともというのだ、ないと言えばないと言えあると言えばあると言える状況で。
「心から」
「だからこの時期はですね」
「好きな時期です」
神父は礼拝堂の椅子を一つ一つ拭きながら床を掃いているいるシスターに答えた、二人で毎日していることだ。
「非常に」
「そうなのですね」
「はい、ですからクリスマスに向けて」
「私達もですね」
「働いていきましょう」
「それでは」
シスターは神父に応えてだった、十二月という月を過ごしていった。そしてシスターが買いものに外出した時にもだった。
あらゆる店でクリスマス一色だった、その中で子供達がこんなことを話していた。
「クリスマスって何の日だったかな」
「キリストが生まれた日らしいよ」
「キリストって誰?」
「凄く偉い人らしいけれど」
「お釈迦様みたい
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