第70話
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その後、校内や町の見回りを終えたリィンが宿舎に戻ろうとすると、ある人物達が声をかけた。
〜リーヴス〜
「あ、リィン君。」
「なんだ、アンタも帰りなの。」
「今日もお疲れ様です、お兄様。」
宿舎に入ろうとしたリィンは自分に声をかける人物達の声を聞いて振り向くとトワとセリーヌ、セレーネがいた。
「トワ先輩、セリーヌとセレーネも。はは、3人が連れ立ってるのも何だか珍しい光景ですね。」
「あはは、言われてみればそうかもねぇ。」
「わたくしはともかく、トワさんはセリーヌさんとはあまり接点がありませんでしたものね。」
「ま、たまにはね。喋るアタシが滞在するのもフォローしてくれたみたいだし。」
「そうだったんですか……すみません、お手数をかけて。」
トワが自分の知らない所でセリーヌの件についてのフォローを行っていた事を知ったリィンはトワに感謝した。
「た、大したことはしてないよ〜。分校と町の人くらいだし。ただセリーヌちゃん。外から来たお客さんとかには一応、内緒にしておいてね?」
「はいはい、わかってるって。エマと長年一緒にいるんだからそのくらいの要領は――――」
「ああっ、ネコが言葉を……!?」
「にゃああっ……!?」
トワの念押しに軽い気持ちで頷いていたセリーヌだったが、自分に対して驚いている様子の青年の言葉を聞くと慌ててネコの鳴き声に変えて声が聞こえた方向へと視線を向けた。
「こ、これは……」
「その―――」
「えっと――――」
一方トワ達も言い訳を説明しようとしたが
「ふふっ……すみません、お兄様。トワさんにセレーネさん、それにセリーヌさんも。」
リーゼアリアがリィン達にとって見覚えのある太った青年と共にリィン達に近づいてきて苦笑しながらリィン達を驚かせた事を謝罪した。
「あ…………」
「リーゼアリア……!?って、そこにいるのは――――」
「ハハ、ゴメンゴメン。驚かせちゃったみたいだね。」
「ジョ、ジョルジュ君――――!?」
太った青年――――トワの同期生であったジョルジュ・ノームの登場にリィン達は驚いた。
「久しぶりだね、トワ。リィン君にセレーネ君、セリーヌ君も。従妹さんとは偶然、帝都からの列車で知り会ってね。」
その後ジョルジュはシュミット博士達に挨拶をしに行き、その間にリィン達はエリゼを交えてリーゼアリアに突然の訪問の事情を聞いていた。
〜宿酒場”バーニーズ”〜
「そうか…………父さんから預かった老師の手紙を届けに。」
「ええ、昼過ぎに届いて一刻も早くお渡ししたくて……帰りの列車もありそうですし思い切って来てしまったんです。本当だったらお渡ししたらすぐ帰る
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