第70話
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ええ、最後に魔女と接触したのは800年前と聞いたわね。それを最後に両者の交流は断たれ、以後、地精を見た者はいないらしいけど………」
「…………それがこの時代、このタイミングで現れたという事か。しかも”結社”と対立し、”西風の旅団”すら雇う形で……」
「ええ、正直アタシにも何がなんだかサッパリわからないわ。長やヴィータならもう少し”謎”に迫ってそうだけど……」
「”長”って人に尋ねてもはぐらかされちゃったんだよね?」
「んー、彼女は彼女で頑固なところがあるというか……まったく、あんなナリしてそのへんは頑固ババアらしいというか。」
「あんなナリ?」
セリーヌがふと呟いた言葉を聞いたリィンは不思議そうな表情をした。
「ああ、こっちの話よ。」
「…………なあ、リィン君。”地精”についてなんだが―――少し見当は付いてるんじゃないかい?」
「それは…………どうしてそんな風に?」
「一応、Z組もそうだけど君達特務部隊の戦いをバックアップさせてもらった身だ。あの内戦で、君達が得た情報を一通り聞かせてもらっている。――――すると、やっぱり一つの”仮説”が浮かび上がってくるんだ。かつて”地精”と呼ばれた存在―――それが今は別の名前で呼ばれてるんじゃないかって。」
「あ…………」
「それって……」
「わ、私も断片的にしか聞いていませんが……」
「―――ええ、以前からぼんやりとした疑いはあったんです。ですが、ここ2ヵ月ほどでその疑いは確信にまで強まりました。”地精”が名乗る別の名前、それは―――――黒の工房。ミリアムやアルティナの”戦術殻”を造った謎の工房――――同時に、超一流の猟兵団などに常識外れの性能の武器を流しているとも聞いています。」
ジョルジュの問いかけを聞いて周りの者達がある程度察しがついている中、リィンが答えを口にした。
「…………やっぱり……」
「――――恐らくそうだろう。”C”を名乗ったクロウが使った超長距離ライフルを手掛けたのも同じだ。」
「アルティナさんの”クラウ=ソラス”もそうですわよね?」
「ああ、だがミリアムもアルティナも工房の記憶は消去されてるらしい……誰も知らないんだ、その実態を。”身喰らう蛇”とメンフィル・クロスベル連合の極一部の人達と――――オズボーン宰相を除いて。」
「あ………」
「…………なるほど、そう繋がるわけね。ヴィータによると、”黒の工房”ってのは元々結社の”十三工房”とかいう集まりに参加してたらしいけど―――」
「ああ―――これは各地を回っていろいろと掴んだ情報なんだが………どうやらその”十三工房”というのは大陸各地の異能の技術集団をまとめる”ネットワーク”のようなも
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