第十一幕その十
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「杞憂って言ったのよ」
「心配しても」
「そうだっていうのね」
「そうよ、あれこれ悩んでも」
それでもというのです。
「物事は解決しないし進みもしないわ」
「そうだね、まあ君の場合はそれでいいね」
「それが君の持ち味だからね」
かかしと樵はエリカを強く肯定していました、二人共飲んでも食べてもいませんが場にいてその雰囲気を楽しんでいるのです。
「即断即決でね」
「やっていったらいいよ」
「これからもね、それじゃあ気が向いたから」
エリカは二人の言葉を受けてこうも言いました。
「お茶を飲んだらね」
「この国を見て回るんだね」
「そうするんだね」
「ええ、そうするわ」
実際にと言うのでした。
「楽しくね」
「うん、じゃあね」
「そちらも楽しんでね」
「そうさせてもらうわ、そして何かあれば」
その時はというのです。
「あらためるわ」
「やることはやるのも君だね」
トトはエリカに陽気な感じで声をかけました。
「怠けないでね」
「そうよ、やることはすぐにやって」
「そしてだね」
「考えるもとをなくして」
そしてというのです。
「気を楽にするのよ」
「そうしていくんだね」
「やることはもうすぐにやって」
「気楽になって」
「楽しく過ごすのよ」
後に残すことはありません、それもエリカです。
「だからね」
「飲んで食べ終わったら」
「見て回るわ、それで皆はどうするのかしら」
「そうね、私達もね」
ドロシーが応えました。
「その時はね」
「一緒になのね」
「もう一度見て回らせてもらうわ」
「わかったわ、じゃあね」
「一緒にね」
こうお話してでした、そのうえで。
皆はエリカと一緒にです、もう一度猫の国を見て回りました。そうしつつです、トトは自分の足元を見て言いました。
「ううん、何かね」
「道もでしょ」
「うん、猫に合わせているね」
「そうよ、靴で歩くよりもね」
それよりもとです、エリカもトトに答えます。
「猫の足で歩くことをね」
「念頭に置いてだね」
「道を考えているのよ」
「そうなんだね」
「そう、猫にとってはね」
「アスファルトよりも石なんだ」
「煉瓦よりもね」
黄色い煉瓦の道よりもというのです。
「こっちの方がいい感じなのよ」
「それは僕も同じだね」
「そうでしょ、靴だとどうかわからないけれど」
人間が履くそれは別として、というのです。「猫の足ではこっちなのよね」
「そうだね、僕も今凄く歩きやすい感じだよ」
「山とか歩くよりもいいね」
臆病ライオンと腹ペコタイガーもエリカに言ってきました。
「快適だよ」
「幾ら歩いても疲れない感じだよ」
「このことも思っていたのよ」
道についてもというのです。
「
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