すくもの
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ベルがリヴェリアの部屋のドアをノックすると、直ぐに部屋の主が出迎えた。
「よし。ではそこの鏡の前に座ってくれ」
ベルは言われた通り、鏡の前の椅子に座った。
「背面鏡……そうか鏡はあるのか……」
ベルの目の前の鏡は棚に備え付けられており、楕円形をしている。
その周囲は装飾こそ無いが錆一つない銀色の縁でおおわれていた。
「なにするんですか?」
「少しお前の髪を整えようかとな。ああ、切る訳じゃないんだ。少し結び方を教えようと思ってな」
リヴェリアは棚に置いていた櫛を取り、スッスッ…とベルの髪をすき始めた。
「キレイな髪だな」
「お爺ちゃんが髪は男の命でもあるって言ってました。
手入れを教えてくれたのもお爺ちゃんなんです」
「ふふ…お前のお爺様はさぞモテたことだろうな」
「はい。周一で知らない女の人が来てましたよ」
「………………」
「リヴェリアさん?」
「いや、なんでもないぞ」
「?」
会話をしながら、リヴェリアは手際よくベルの髪をリボンで結んだ。
「どうだ?」
ベルの長い髪は青いリボンで結ばれ、ポニーテールになっていた。
「へー…これがポニーテールですか……」
「結んだ事は無いのか?」
「中途半端なサイドテールになるのであまり…」
「そうか…」
「それに散らしとかないと重いんですよ」
「切らないのか?」
「ずっと伸ばしてたので今さら切る気にもなれないんです」
ベルの髪は腰ほどまであり、白いマントを羽織っているようにも見える。
「それに、この髪型はお爺ちゃんが似合ってるって言ってくれた物ですから…」
「っ…すまない」
「あ、いえ…大丈夫です」
唐突に、リヴェリアがベルを後ろからだきしめた。
「ベル、寂しくはないか?」
「大丈夫ですもう『慣れました』から」
「っ…」
リヴェリアがその美しい顔を歪める。
「ベル、寂しいならば私やアイズに甘えていいんだぞ?」
「大丈夫です。問題ありません」
ベルとしては、女性に甘えられる事はあっても甘えてはいけないと考えていた。
『強い』男に、なるのだと。
「そうか、なら甘えなくていい。私達が、勝手に構うだけだ」
リヴェリアの指がベルの頤を撫でた。
「んぅっ……くすぐったいですリヴェリアさん」
「少し大人しくしていろ」
その後、ベルはネコのように弄られ続けた。
ぷに…ぷに…
「んぅ……」
ふに…ふに…
「んゅぅ……」
リヴェリアは部屋のベッドにベルを寝かせ、頬をつついて遊んでいた
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