第6章:束の間の期間
第183話「異変と再召喚について」
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集めよう。これは“死蝕”以来の緊急事態だ」
「はい。シュテル達はこちらで呼びます。アミタ達は博士が」
「任せてくれたまえ」
すぐに解明と対策を行うために、そのメンバーを集める行動に出る。
娘たちを呼びに行った博士を見送ったユーリは、解析データを見直す。
「……相手側の時間軸。僅かにしか信号を捉える事が出来ませんでしたが……」
そう呟きながら、ユーリはその僅かな信号を思い出しながら、機械に打ち込む。
「……やはり、ですか」
その信号データから出た解析結果に、ユーリは予想が当たったと溜息を吐いた。
「おおよそ三年後。ここから混ざっていくのですね」
それは、ユーリ達がいた時間からの計算。
つまり、ちょうど優輝達が幽世の大門を閉じた後辺りの時間だった。
「っ………!」
「……ドクター?」
一方、優輝がいる時間軸。
とある次元世界にある研究所で、ジェイルが普段は見られない切迫した表情をしていた。
「……ウーノ、至急クアットロを呼んでほしい。ドゥーエもいればいいが、彼女は潜入している身なのでね……」
「……了解しました」
ジェイルのその様子に、ウーノは内心驚愕する。
どんな状況でも正面から笑って受け止めるようなジェイルが、冷や汗を掻いているのだ。
明らかに重要な案件だと察し、すぐさまクアットロを呼び出す事にした。
「(クアットロと無理だったとはいえドゥーエを呼ぶ……頭脳派を集めるつもりですね)」
選んだメンバーから、ウーノは頭脳派を集めるのだと理解する。
同時に、知恵を集める必要があるのだとも理解した。
「(ドクターが真剣になるほど……一体、何が?)」
大胆不敵な笑みが消えていた。
それだけでウーノにとっては信じられない事だった。
何事なのか気になる事もあったが、まずは言われた事をこなすのだった。
「はぁーい、ドクター。お呼びですかぁ?」
数分後。ジェイル、ウーノ、クアットロが揃った。
クアットロも口調こそいつも通りだが、ジェイルの様子を見て、すぐにただ事ではないと理解していた。
「……発見したのは偶然でね。私は時空間に関する観測を行っていたのだよ」
「時空間……なるほど、幽世ですか」
「そう。優輝君の世界に存在する次元世界とは違う異世界。つい興味を持って調べていたのさ。……しかし」
ジェイルは幽世の大門が開いた事を観測していた。
その時に幽世について知り、独自に調べていたのだ。
空間ではなく時空間なのは、ジェイルなりのアプローチの仕方だったりする。
「その最中、異常を見つけ
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