一話日下飛翔ルーガー
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出さない。
(それにしても五千万ヴァリスと聞いて、やめときますとは言わないんだなぁ)
ドノバンは飛翔の反応に心の中で
暗い笑みを浮かべる。
(いくら天下のロキファミリアとはいえ、五千万ヴァリスの大金払えと言われたら、怒って断るのが普通だ。
なのにこいつは何故五千万ヴァリスがいるのか聞いてくる……こいつは)
ドノバンは自身の頭脳を高速回転させて思考する。
ドワーフで脳筋と思われがちだが、
実はドノバンはインテリなドワーフだった。
筋肉を鍛えるのと同じくらい、読書を好む。
共通言語だけでなく、テルスキュラの言葉や魔法帝国の一部で使われている魔法言語などにも彼は精通していた。
(つまりこいつの言ってることはマジって訳だ。
ロキに惚れていてどうしてもロキファミリアに入りたいんだこいつは
まぁロキに惚れてるってのは全く理解できないが……団員とは違って
我がファミリアの主神様は女性の魅力にかけるからなぁ)
ドノバンはさっき飛翔が約一時間もかけて、話したロキへの熱い想いの
丈を聞かされたのを思い出す。
(ロキ云々はどうでもいい。
それよりこの日下と言ったか、やつのロキの事を語る時の眼は、まるでフレイヤファミリアの団員達の眼にそっくりだ。
ウチの主神様は美神じゃねぇはずなんだが、奴らと変わらない敬愛を
ロキに持っていると計算すると)
ドノバンは自分の次の言葉を固唾を飲んで待っている、飛翔に笑みを浮かべる。
(こいつは久しぶりのカモだ。
それもとびっきりの)
カモだと確信したドノバンは
悪巧みを実行に移す事に決める。
(ロキがそんなに大好きならロキの為とか適当言ったら、うまくいく なぁ)
ドノバンは頭の中で立てた、詐欺の段取りを言葉に出した。
「まぁまず何故五千万ヴァリス必要なのか言わせてもらう」
空になった火酒の酒瓶をドノバンは
机に戻す。
飛翔は大事な話をこれから話すのだと思い背筋を伸ばす。
「この五千万ヴァリスは、ウチのファミリアのためひいては、ロキ様の為の五千万ヴァリスだ」
「ロキ様が五千万ヴァリス欲しいのですか?」
「ああそうだ」
(食らいついたな。
恋は盲目とは良く言ったものだ)
「さっきも言ったが、最近の闇派閥との抗争で、ウチは団員を失った。
数年ぶりの死者にロキは心を痛めてなぁ。
せめてあの世でも寂しくないようにと、慰霊祭を行いたいと言ってるの さ」
「慰霊祭ですか?」
「そうだ。それをガレスさんが
仕切りを任されてるんだが、どうしても予算が後五千万ヴァリス足りないんだ」
ドノバンは淡々と嘘八百並べて、
巧みに飛翔の心を誘導していく。
「実は現在ウチに入りたいと
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