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ロキを愛する冒険者がいるのは間違っているだろうか
一話日下飛翔ルーガー
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「ここがオラリオ……ついに来た ぞぉー??」

迷宮都市オラリオに一人の青年の
雄叫びがこだました。
雄叫びを放った青年はよほど
オラリオに来たのが嬉しかったのだろう。
感涙に涙を流している。
ここは迷宮都市オラリオの市壁の近くにある、オラリオへ入るために
通る関所だ。
感極まって泣き崩れる、若い男を
通りがかる人々は、ある者は笑い
ある者は不思議な者を見るような目で、またある者は目線を合わせず早足で通りすぎる。
そんな人々の冷たい対応も、喜びにむせび泣く彼には関係がなかった。

感極まった青年の名は、日下飛翔(ひしょう)ルーガー、10年前、
一人の朱髪の女神に魅せられた少年が成長してオラリオにやって来たのだ。
長い黒髪を後ろで括り、腰に二刀を
差した飛翔がこのオラリオにやって来た目的はただ1つ。
都市最大派閥が一角、ロキファミリアに入団すること。

(このオラリオにあの方がいる)

飛翔は市壁の向こうに見える
天を衝く白亜の摩天楼を見渡しながら、思いを馳せる。

 「あのぅ」

「……ん、なにか?」

そんな物思いにふける、日下に
オラリオへの入国を管理する
関所の役人が声をかけてくる。 
日下はその声で、現実に返ってくる。
「都市への入る為の手続きをしたいのですが、あなたの番なので」 

「えっ?」

そう言われた飛翔が周りを見ると、
彼の後ろには何十人もの長蛇の列ができている。
他の役人や都市の出入りを監視する
ガネーシャファミリアの団員達が、
他の順番待ちの人たちを落ち着くようになだめているのが見える。

「すみませんー??」

深々と頭を下げた飛翔は慌てて、
手続きを済ませるのだった。


迷宮都市オラリオ。
それは世界で唯一ダンジョンが存在する都市である。
神々が降臨する以前から存続する世界有数の大都市であり、世界一の魔石製品輸出都市で大陸の一国家よりも遥かに発展している。
ダンジョンがあることで魔石と、
モンスターによって強力な冒険者がうまれるこの都市は世界の中心と呼ばれている。
広大な面積を誇る円形状の形をしており、堅牢な市壁に取り囲まれ
都市中央には天を衝く白亜の巨搭がそびえているという他の都市には
ない独特感がある。

「え〜っと目的地は黄昏の館というのか」

そんな白亜の巨搭バベルがある
中央広場の近くを日下は歩いていた。
歩きながら買った都市の案内図を
見ている日下は、北のメインストリートの方へ歩を進めていく。
彼が目指すロキファミリアのホーム
黄昏の館は、都市オラリオ最北端に
メインストリートから1つ外れた
街路の脇にあるからだ。

(ロキ様いるだろうか?
いやいきなりロキ様に会いたいなど

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