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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― 中断
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」
「ああ、兄さんは来ませんよ」
と、緑茶を人数分淹れながら湖札は返す。緊張感、どこに消えたのだろうか。
「だってほら、多少なりともヒントを与えようと持ったら本人が来るのは色々と聞こえがマズいですし。間に立たされた人間が勝手に言った、って名目が必要なわけですよ」
と、湖札は躊躇うことなく発言する。当然、それで納得する参加者ではない。ゲームの公平性を保つというお題目、お情けで獲得する勝利に興味はないという本音のもと発言をしようとして。
「だってこの真実、箱庭からの観測は不可能なんですから」
湖札の発言によって、遮られる。
「……それは箱庭の定義、ギフトゲームの定義に当てはまらねぇだろ」
「そりゃそうですよ、こっちの世界系には一切当てはまらないんですから」
十六夜にそう返しつつ、コートの内ポケットから一枚の紙を取り出した。
「さて、面倒な議論を挟む暇はないのでまず言わせていただきます。今回のゲーム、一切の不正はありません」
「それについては疑ってない。何が何だかわからないルールではあるが、だからこそ変に手を加えられるだけの技術は持ってないだろ」
「まあ、それもそうですね。兄さんにも私にも詩人としての能力はありませんし」
ヤシロさんがいたらワンチャンあったんですけどねー、とボヤきつつ契約書類をつまむ。
「まあなんにせよ、です。一切不正がないにもかかわらず中断させられている、という立場を利用していくつか条件を出させていただこうと思いますが、よろしいですかね?」
「……まあ、中断したのはこっち側だからな。拒否権もねぇだろ」
「ありがとうございます。まあ、あれですよ。この世界で自力で答えにたどり着ける存在なんてヤシロちゃん位なものですし、気にするだけ無駄かと」
あ、もう十六夜さんが参加者側代表、ってことで話し進めますね、と。先ほど取り出した紙を開き、読みあげる。
「一つ目。本ゲームに参加する全プレイヤーに対する疑似創星図の使用禁止」
「それはプレイヤー『が』使ってはいけない、なのか。それともプレイヤー『に』使ってはいけない、か?」
「後者です。完全に使用を禁止することはありませんが、その矛先を主催者側参加者側問わずプレイヤーへ向けることを禁止します」
当然のこととして、これは参加者側が有利になるルールである。なにせ参加者側が保有しているのは十六夜の一つのみ、主催者側で考えるのであれば合計四種類。アジ=ダカーハに渡したままにするのであれば三人が使える形になる。それを禁止するということは……つまり、参加者側に対する温情だ。
「さて、これの可否を審判に問う前に次のルールも言ってしまっていいですか?」
「なら、先に話せ」
「ではお言葉に甘えて」
と、そう言って。次の追加
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