三十匹目
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とシラヌイ君の眼を見てあいさつなさい」
「わかりました〜お義母様〜」
クルリとシラヌイが回される。
銀髪で、褐色で、耳が長くて、スタイル抜群だ。
「うきゅー?」
「はい〜。私はダークエルフですよ〜」
「うきゅぁー?」
「はい〜。スヴァルティアの出です〜。
私のお父様は〜、貴方のお父様の従兄弟にあたる人なのですよ〜」
「きゅぅん?」
「私のお爺様が〜、貴方のお爺様と仲違いしてできたのがスヴァルティアなのですよ〜」
「うきゅ? きゅぁあー?」
「きいてないのですか〜?」
「きゅ」
「どうせ学院で習いますから〜、その時にお勉強してくださいね〜」
教えてくれねぇのかよ…、とシラヌイは思った。
そこでキュッとシラヌイのしっぽが引っ張られた。
「うきゃぅっ!?」
「あ、だめですよ〜くーちゃん。狐さんに乱暴したらダメって法律にあるんですよ〜」
「お母様。私も狐さんを触りたい」
「ちゃんと優しくするんですよ〜?」
クーコがシラヌイを抱く。
胴に手を回している様子は、お気に入りの人形を抱いているようだった。
よろよろとしながら、かろうじてベンチに腰掛けたクーコ。
「クーよ」
「なんですかおばあさま?」
「私達は城内に戻る。しばらくシラヌイ君と遊んでいなさい」
「わかりました」
ツェツィーリアとトレーネがルルを連れて城内へ戻ったのを確認した後、クーコは大きなため息を吐いた。
「あ━━━━━っ! もうっ! めんどくさい━!」
「うきゅうっ!?」
「あ、ごめん狐さん。でもちょっと私のぐちに付き合いなさいな」
「きゅー?」
「ほんっと…、何で私は王族なんて面倒な家にうまれてしまったのかしら」
「きゅぅん?」
「マナーとか勉強とか、本当に面倒。庶民で私くらいの年なら周りの子供と遊んでるっていうのに」
クーコの表情は子供にしては大人びていて、それでいて疲れた様子だった。
シラヌイは水魔法で文字を描いた。
〔お友達が欲しいの?〕
「貴方話せるの?」
〔うん。今はこの姿だけど、僕は君と同じ人形種族だよ〕
「へぇー…。まるで建国の神獣タマモみたいね」
「きゅ?」
コテンと首を傾げるシラヌイ。
「まぁ、それは置いておくとして…。
友達が欲しいのかって聞いたわよね?」
「うきゅっ!」
「はい、って答えたら?」
〔僕が友達になってあげる!〕
「いいえ、って言ったら?」
〔僕が悲しくなる〕
「ふふ…貴方面白いのね…」
クーコは、その顔をほころばせた。
「私の友達に、なってくれる?」
ピョイっ
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