第四十七話 合格発表その十七
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「全く、いつもそうなんだから」
「こうしたところが愛嬌で」
「そうならないから」
「あれっ、ちっち後輩君と一緒に合格喜んでるの?」
「また一年の娘と一緒にいるじゃない」
合格を見に来た同じ寮の娘達がここで私に声をかけてきました。
「全く、また二人でいて」
「見せつけてくれるわね」
「見せつけるって何がよ」
そう言われても私には何が何だかです。
「この子は勝手に来たし」
「はいはい、いつも通りね」
「勝手になのね」
「そうよ、本当に呼ばなくても来るから」
この子はこんな調子です、おぢばがえりの時も夏に実家にいる時もです。日曜におぢばを歩いていても会う位です。
「何でもないわよ」
「只の後輩の子ね」
「そうだっていうのね」
「そうよ」
それだけなのに皆から言われます。
「それだけよ」
「だからそこで違うって言わないとね」
「折角いい子と出会えたのに」
「どうしてそう言うのよ」
「どうしてって言ってもね」
そのいい子って言葉に反応して言い返しました。
「阿波野君は本当にただの後輩だから」
「そうですよね、今は」
横からいつもこう言うのがこの子です。
「今のところは」
「それ以外の何なのよ」
また訳のわからないことを言うわねと思いながら阿波野君に反論しました。
「一体」
「そこを違う様にしていくとか」
「ないから」
はっきりと否定しました。
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