第十一幕その五
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「何か皆ね」
「凄くよね」
「マイペースね」
「エリカみたいよね」
アンがこうドロシーに応えました。
「どの子も」
「猫だけあってね」
「自由に暮らしているわね」
「何かね」
「これだとね」
「エリカに相応しい国かしら」
「そうかも知れないわね」
アンはドロシーのその言葉に同意して頷きました。
「こうした感じだと」
「これだとね」
「エリカこそがね」
「この国の女王に相応しいかしら」
「この国に合ってるかもね」
「猫の中でも特に猫らしいから」
「だからね」
それでというのです。
「エリカの言う通りかもね」
「あの娘がね」
まさにというのです。
「まさにね」
「この国の女王に相応しい?」
「そうかもね」
「いや、いい感じですね」
ここで猫の一匹が一行に言ってきました、見れば公園でぽかぽかと寝ています。見れば猫のサイズのお家やお店以外にも猫が丸くなったりするのに最適なサイズの屋根があるお家や公園も存在しています。
「この国は」
「いい国なの」
「はい、とても」
寝ながらドロシ―にお顔を上げて言います。
「昨日来たばかりですがそう思います」
「それは何よりね」
「この国ならです」
その猫はアメリカンショートヘアでとても整った顔立ちをしています、その猫がこうドロシーに言うのです。
「ずっとです」
「住めるのね」
「はい、私の仕事は魚屋ですが」
「お店はどうしているの?」
「今は女房が仕入れに行ってまして」
そのお魚をというのです。
「それでお魚がお店に入ったら」
「その時からなの」
「私の仕事です、それまでは」
「ここで休んでるのね」
「こうして」
寝ているというのです。
「そうしています」
「お店にはいないのね」
「仕事があるまではここで寝ています」
これが猫の返事でした。
「そうしています」
「マイペースね」
「猫ですから」
だからだというのです。
「そうなんです」
「ううん、まあそれでお店がやっていけるなら」
「やっていけますよ、そして」
「そして?」
「私が働く時は女房がです」
「休むの」
「寝るなりして」
そうしてというのです。
「交代でやっていきます」
「そうしていくのね」
「はい、もうそれは決めていますから」
「それでいいのね」
「そうです、まあ別に」
こう言うのでした。
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