猫娘と強化合宿編
NO.082 狂気と略奪
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それで全員は周りを見回していると上の方から声が聞こえて来た。
「彼と彼女なら……俺のマジックで貰っちゃったよ」
そこには仮面をつけてマジシャンのような恰好をした男が立っていた。
「この二人はヒーロー社会では過剰な力を持っている。こちらで引き取らせてもらうよ」
そう言いながらも仮面の男……Mr.コンプレスはその手に二人が閉じ込められているだろうビー玉くらいの玉二つを握っていた。
「か、返せ!!」
「嫌だね」
Mr.コンプレスはそう言いながらも撤退しようとする。
…………出久は油断はしていなかった。
五感強化を満足に使えない状態でももともとの能力が高かったために警戒するために殿を勤めていた。
だが、ふと立ち眩みを感じたのだ。
力の過剰行使がここにきて一瞬だが出久の感覚を鈍らせた。
その瞬間をMr.コンプレスは見逃さなかった。
「(貰うよ)」
「ッ!?」
気づいた時にはもう遅かった。
そこには仮面が見えていた。
そしてもう背中に手を添えられていて手遅れだと悟った。
「(せめてみんなに知らせないと……!)」
そう思うがもう圧縮されてしまって丸い球の中に閉じ込められてしまった。
「(そんな……飯田君、轟君……かっ、ちゃん……)」
出久の意識は闇に沈んでいく。
こうしてヴィラン連合・開闢行動隊の目的は果たされてしまったのであった……。
これから出久はどうなってしまうのか……?
轟達は救い出すことができるのか……。
状況は明らかに最悪だ。
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