猫娘と強化合宿編
NO.082 狂気と略奪
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手を拘束しないと!」
「ちょっと待って」
お茶子が必死に抑え込んでいる。
それだというのに抑え込まれているトガはそれでも笑みを消さずにお茶子に話しかける。
「お茶子ちゃん、あなたも素敵だね。私とおんなじ匂いがするわ」
「なにをッ!?」
「好きな人がいますよね? 多分デクちゃんかなー?」
「ッ!」
それでお茶子の気持ちが揺らぐ。
確かに出久に対して友達以上の思いがあるのは否定しきれない事であった。
だが、それがあなたと何の関係があるのか?という気持ちである。
「だから、なに……!?」
「認めるんだー。カァイイね。私も一緒だよ。そんなデクちゃんみたいになりたい、お茶子ちゃんもそうでしょ?」
「そ、それは……」
「好きな人と同じになりたいって気持ちは当然だよね。同じものを身に着けちゃったりしちゃうよね」
どんどんとトガの笑みが歪んでいく。
まるで狂った獣のように……。
「でも、だんだん満足できなくなっちゃうよね。その人自身になりたいって思っちゃうんだ。それはしょうがない感情だよね、うん。
お茶子ちゃんの好みはなんとなくだけど分かるけど、どんな人? 私はねー、ボロボロになって血を匂わせる人が大好きです。私もー、テレビで見てボロボロになっていくデクちゃんを見ていた時は興奮を覚えたものです。
そして最後は我慢できなくなっていつも切り刻んじゃうの。
お茶子ちゃん、楽しいねぇ、恋バナ楽しいねぇ!」
「いっ痛ッ!?」
「お茶子ちゃん!」
気づけばトガは注射器をお茶子の足に刺して「ちうちう」言いながらも血を吸いだしていた。
思わず蛙吹が叫ぶ。
だが、そこでしげみがざわついて轟達が姿を現した。
「麗日!?」
「障子ちゃん、みんな!」
その瞬間を見逃さなかったトガはお茶子の拘束を解いて離脱しようとする。
「人増えるので殺されるのは嫌だから、バイバイ」
そのままトガはどこかへと行ってしまった。
逃がしたことを悔しがるお茶子達。
だが、障子達と合流出来て安堵の気持ちもあった。
「麗日君! 大丈夫かね!?」
「う、うん飯田君……」
「お前らとも合流出来てよかったな……これで八人か」
「八人……?」
轟の言葉にお茶子は首を傾げる。
「なにかおかしいか?」
「いや、おかしいかって……今ここにいるのはB組の円場君に、轟君、飯田君、障子君……そして私と梅雨ちゃんだけだから六人だよね?」
「「「ッッッッ!?」」」
それを聞いて三人は後ろを振り向く。
そこには先ほどまでいたはずの出久と常闇の姿がいなくなっていたのだ。
「緑谷君に常闇君!?」
「どこだ!?」
「いつの間に……はぐれたのか!?」
「え!? デクちゃんと常闇君もいたの!?」
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