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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第51話:堕ちる者
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を晒せればだけど』
『この…調子に乗るなよ賢!!』
治が賢に殴りかかろうとした時、賢の鞄からワームモンが飛び出した。
『賢ちゃんに触るな!!』
ワームモンは治の顔面に体当たりを喰らわせ、弾き飛ばす。
弾き飛ばされ、強く床に叩き付けられた治の意識は堕ちていく。
『あら?治ちゃんは?』
『寝てるよ、疲れてたんでしょ。』
『まあ、勉強してたのね。後でお夜食持って行かないと。ところで賢ちゃん、転校の件なんだけど』
『お祖母さんのいるお台場に行ってお台場小学校に通えって言うんでしょ。準備は出来てるから今すぐ出れるよ』
『あらそう?下級生の教室が謎の生き物に荒らされてから大分経つけどまだ直らないから、賢ちゃんも自宅学習ばかりではいけないし…』
ヴァンデモンが暴れたことで田町にも被害があり、田町小学校もそれなりに被害があった。
今では田町小学校では大分子供が減っているらしい。
『助かるよ、お台場なら知り合いが沢山いるし(この家ともおさらば出来るし、この人達やあれとも会わなくて済むし、願ったり叶ったりだ)』
翌日の早朝に賢は繕った言葉を2〜3言っただけで一乗寺家から去っていった。
去り際に自分達を見た表情は笑顔だったが、非常に冷めていたことは今でも覚えている。
賢を不満の捌け口にすることで何とか耐えていた治の心はバランスを崩し始めていた。
「何で賢は選ばれて僕は選ばれなかったんだ…僕は賢より、あいつより優れているのに…いや、あんな低レベルな連中が選ばれているのに何故僕だけが…」
以前休みを利用してお台場に向かうと、そこではディアボロモンと戦った面子もいた。
そして申し訳程度の変装をしたブイモン達も。
子供らしく何の柵もなくはしゃぐ姿に治の嫉妬は高まるばかりだった。
治は以前、デジタルワールドが浮かんだ空を見上げた。
近いのに遠いような感覚を感じてしまう。
まるで自分を拒絶しているかのようだ。
「………もう、嫌になった」
「デジタルワールドに行きたいのかな?」
「は?誰だ!?」
治は周囲を見渡したが誰もいない。
気のせいかと思ったが、再び声が響いてきた。
「怯えるな、私は君の味方だ。可哀想な君、心の自由を失いただ生きているだけの人形の君。私は君に同情する。私が君をデジタルワールドに連れて行ってやろうではないか。君の力は向こうで真に発揮される。鳥籠の中での暮らしは終わりだ」
「終わり…僕にも自由が…」
「そうだ…まずデジタルワールドに行く方法から教えてあげよう。お台場のある場所にその鍵がある。」
「分かった、行こう…」
了承の言葉と同時に、いつの間にか周囲に立ち込めていた真っ白な霧
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