修行V - 終極 -
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紅き長髪を伸ばした一人の男性悪魔が人間界から帰還したグレイフィアの報告に耳を傾ける。
「やはりレーティングゲームで決着となったか」
「そうなることは予想していたのではないですか?」
グレイフィアの指摘に紅き長髪の悪魔、リアス・グレモリーの兄であるサーゼクス・ルシファーは笑みを深める。
「私はただリアスに選択肢を与えただけだよ」
己の夢を貫く選択肢をね
「それは当初から予測していたことです。しかし、ライザー様と今のお嬢様との実力では結果は見えているとは考えなかったのですか?」
「……万が一にも勝ち目はないだろうね」
それはこの一連の騒動が起きた当初から予想していたことだ。
しかし、あらゆる場合を想定し、手は打っている。
もしリアスがライザーに勝つことが出来れば僥倖、敗北した場合は想定内の話であったというだけの話だ。
幾ら魔王であるとはいえ、貴族間のいざこざを私情で白紙にするのには無理がある。
ならば少しでも自分が望む最高の展開へと導くために今は、水面下で秘密裏に準備を行うだけだ。
そのためのリアスの修行期間であり、レーティングゲームなのだから
「やはりそうでしたか。ただ、もう一件ご報告があります」
「何だい、グレイフィア?」
自身と同じく溺愛するリアスが窮地の状況に陥っているにも関わらず、グレイフィアは至って冷静だ。
それ以上に喜色満面とも言える表情を浮かべている。
「今回のレーティングゲーム、誰もが予想だにしない結果になると私は確信しています」
「それはつまりリアスがライザー君に勝つということかい?」
それは正に最高の展開だ。
だが、グレイフィアがそこまで断言する理由は何なのだろうか
「その心は何だい?」
「以前ご報告した"ウィス"という者の助太刀があれば、お嬢様はこの修行期間にて飛躍的な成長を遂げ、ライザー様にも勝利を収めることが可能だと断言します」
"ウィス"という者の存在はリアスから聞き及んでいた。
リアスの女王と過去に出会い、今では彼女と協力関係を結んでいると
「まだ、一概には断言出来ませんが……」
彼の者の力はサーゼクス、貴方と同じく底知れない何かを感じました
「それは嬉しい誤算だね」
「はい、レーティングゲーム当日が待ち遠しくて仕方がありません」
サーゼクスは思いもしなかった嬉しい誤算に微笑する。
そして、その"ウィス"という者にも一度出会ってみたいと思うのであった。
その"ウィス"に修行を受けているリアスは、今……
目覚めの朝を迎えていた。
周囲に無数に浮遊する砂時計が眩く発光し、爆発する。
爆音が
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