第121話 魔人は危機のようです
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は無いが、振り
向く様に動く。
「お前だけは聞いていたのか?それともただの勘か?ルシ…いや、ノワールであったな。
名は大事なものだ、特に創造者にとってはな。うむ。
質問、と言うよりは確認であろう。その通りだとも。創造者は全てを"超えうる"が、成さ
ねば超える事はない。まぁ、どんな力にも言える事ではあるが、少し意味合いが違う。」
と創造主神は僅かに声のトーンを落とし、無念そうに続ける。
「被造物はどうしても限界を設けてしまう。どれだけ強かろうとも、老い、満足、諦め、
慢心、傲り……理由をつけて己に限界を作ってしまう。或は弱点と言い換えても良い。
何故だ?」
問われた意図を汲む事が出来ず、ノワールも肩を竦めるだけだ。
「何故、強いままで居ないのだ?何にも屈さぬ程、どこまでも強くて良いではないか。
誰も彼も悲しまぬ様と願うなら、誰も彼も救える万能で良いだろう?」
「それは…………。」
それはそうだ、と皆が思う。彼等にとっては愁磨がそれだった。
傍若無人で唯我独尊かと思えば誰にでも優しくして、皆を影と表から支え、救って来た。
だからこそ―――それを崩している本人が何を言うのか、と。
「それが被造物の限界だからだ。」
思考を誘導した上での発言に、上位者達は眉を顰め、ネギ達は僅かに体を震わせる。
「君達はこの"魔人"に期待し、己が抗う事を諦めた。故に今動けない。
我が『魔人』足り得るか判断するのはただの二点だ。"限界が無い"事と、"限界を決め
ない"事、ただそれだけだ。ただの被造物は両方満たさず、そこな『創造者』は限界は
無くとも、限界を決めてしまった。この場で我と相対出来るのはこ奴だけだ。
分かったのなら大人しくして居ろ。恐らくすぐに終わる。」
話しは終わった、と"被造物"に興味を無くし愁磨に向き直る創造主神。
しかし、そんな絶対神に抗う事を決めていた四人が同時に動く。
アリアは『天合虎纏』を高"神気"へ変換し、もみじは『獄合犬纏』を高"獄素"へ。
刹那は己の気と強化を昇華させ"神気"とし、エヴァは、魔力と合わせ"獄素"とした力を
ノワールに叩き込む。
瞬間、高"神気"と高"獄素"の坩堝となっていた『獄合神纏』が、宿る魂と反応し、
『創力』と成る。
だが、それは絶対に有り得ない事。"そう"したのは創造主神なのだ。故に主神は"想像"
してしまう。創造者の枠組みからは外れられない者の性として、"想像"してしまった、
億分の一秒に過ぎない一瞬。
「『夢無明亦無』ッッッッッ!!!!!」
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