アインクラッド編
19.リヒティ
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だと聞くが、返事はない。この森には旨い狩場があるわけではないから、プレイヤーだとは思えない。ならNPCか。
「開けてみろ」
男の指示に従って、仲間はドアノブに手をかけた。そっと、押していく。
――――とす、とわずかに音がした。
「な、に・・・」
何かを言いかけた仲間が倒れた。男は布団をはねのける。異常事態を察した仲間たちも次々に起き上がる。倒れた仲間は、麻痺状態になっていた。
僅かに空いた扉を叩きつけるように開けた闖入者は、被っていたフードを脱いだ。
「――――7人か」
そう呟いた闖入者の目は、闇夜でも爛々と輝いていた。
左手に握った投適用ピックを、三本まとめて投げつける。一人が倒れ、残り五人。
「手前ェ!!」
怒気をはらんだ声でカタナを持った男が叫んだ。それを横目で見ながら、俺はソードスキル《アバランシュ》を発動させる。狙ったのは右前方にいた男。アバランシュは優秀な突進技で、大抵の不意打ちなら成功する。キリトなら防ぐだろうが。
今俺が持つ武器の全てには、レベル5麻痺毒を塗ってある。アバランシュをもろに食らって吹き飛ばされた男が倒れる。残り4人。
俺は床を思い切り蹴って突き出された槍を避け、左腰に差してあった短剣で伸びきった腕を斬りつける。残り3人。
視界の端で何かが煌めく。思い切り首をひねると、空いた空間をチャクラムが飛んで行った。一度投げても戻ってくるという特徴を利用した奇襲のつもりだろうが、チャクラムの軌道は飽きるほど見ている。2撃目も躱し、そばにあった椅子をお返しとばかりに投げつける。
「があっ!」
椅子をぶつけられた男がのけ反る。その椅子ごと両手剣で叩き斬る。残り二人。
後方で、ソードスキルのライトエフェクトが光る。俺は両手で持った剣に力を込める。
ガアアン!!と激しい音とともに、ソードスキルとソードスキルが激しくぶつかり合った。相手はカタナを持った男だ。
「好き勝手してくれるじゃねえか・・・!お返しだ!」
男の斜め縦斬りを、俺は横に飛んで躱した。そこに、まだ残っていた仲間の片手剣が振りかざされる。
「ふっ・・・!」
俺は息を吐きながら、片手剣を机の上に乗って躱す。さらに上へと飛んで、身を翻しまるで天井に張り付くようにし。
天井を蹴り、最大速度で片手剣を持つ男へ突っ込んだ。両手剣が男の体のど真ん中を貫く。あと一人。
起こしかけた体を逆に思い切り屈めると、カタナの横切りソードスキル《鷲羽》が通り過ぎた。前方に飛びずさり、クイックチェンジで新しい武器を装備。
カタナを持つ男と、俺はしばし睨み合う。
「シッ・・・!」
「でりゃあ!」
小細工なしの俺の下段斬り上げと、奴の上段振り下ろし。俺の筋力パラメータが上回ったか、俺の剣は八のカタナを弾き返し、奴の重心がわずかに浮く。その瞬間、俺は体術スキ
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