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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― @
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かる。
雷撃がその手を焼く。近づくことも難しく、それでも力任せに握りつぶさんと迫る巨大な手。その頼もしさへ口角を上げながら、巨人の背へ主の手が添えられる。
「我が従僕よ、我が一族によって討たれし幾千幾万の異形なる魂よ」
そして。紡がれるのは、外道の言霊。
「今、汝らの意志は必要なし。その意思を檻へ残し、力のみを具現せよ」
檻から表へと引きずり出された、異形たちの『力』。霊獣、神霊と言った固有名称でもって成立する者たちではなく、種族名によって認識される十把一絡げ達、その力。それら全てを、ダイダラボッチの背中へと流し込む。
「今ここに求められるは数にあらず。強大なる一へ統合し、我がための力となれ」
霊格が完結しているはずの存在に対し、なんの統一性もない力を強引に流し込む。その行いがどれだけの負荷を与えるか、考えずともわかるような外道の行い。しかし、寡黙な巨人はその苦痛に耐え、受け入れ、己が力へと昇華する!
「さあ、アルマの相手は任せたぞダイダラボッチ。それとも、まだ足りないか?」
「わざわざ言う必要はないだろう。時間の無駄だ」
「ああ、そりゃごもっとも」
これで、巨人が貫かれることはない……とまでは言えないが、拮抗し時間を稼げるレベルまでは至る。そして、それができるということは……
「さあ、耀。こっちはこっちで一対一だ。上手くやれば俺を討てるかもな?」
「……黒ウサギ、審判権限!」
一輝の言葉には一切反応せず、どこか離れたところで観戦しているのだろう黒ウサギへと告げる。挑戦者としての才能を持つ彼女の判断は、この上なく正しかった。
彼らが元々立てていた作戦は、酷く単純なものだった。しかし、その要となる二人が捕えられてしまった。完璧な破綻、確定した敗北。であるのならば、二人が捕えられたままになるという負債を抱えることになるとしても、一時中断して作戦を練り直すしかない。難易度が高すぎるからと切り捨てた『鬼道』という存在、その定義を突き止める方針へ移るにしても、考察を行うだけの時間が必要だ。
さて、そうと決まればやらなければならないことは一つ。可能かどうかも分からず、どれだけの時間がかかるかもわからない黒ウサギの申請が受理されるその時まで、耐え続ける。
「飛鳥、作戦変更!持久戦に移るよ!」
「了解……ッ!ディーン!」
掲げられたギフトカード。そこから巨体をさらに大きくし雄たけびを上げて表れるのは、彼女の忠実なる従僕。最も長く彼女を支え続けた二人目の従者、紅の鉄人形。主の勅命を受け取った忠臣は、その期待に答えようと眼前の巨人へ殴りかかる。
その一撃をノーガードで受ければ、ドーピングした巨人といえども耐えられるわけがない。山羊へ向けていた手を離し、その拳を受け止める。自由の身
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