ミーティング・フォー・ブルネイ
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「さて、今日集まって貰った理由は何となく聞いてるよな?最近ここらで暴れ回ってた『黒い空母』、あれがこの度ネームレベルに指定された」
「はいは〜い、質問っぽい!」
「ん?何だ夕立」
「そもそも、ネームレベルって夕立知らないっぽい。何それ?」
「ゆ、夕立……座学で習っただろ?思い出して!提督の眉間に皺が寄ってきてるから!」
キョトンとしている夕立の横で青ざめる時雨。流石に教えた事を忘れてるのはいただけねぇな。
「夕立ぃ!」
「きゃいん!?」
犬かよ。
「後でお説教な。まぁ思い出す意味でも皆でネームレベルとは何か?再確認しておこう。大淀」
「はい。そもそも深海棲艦の中には、量産型よりも上位の個体……所謂『鬼』や『姫』と呼ばれる個体が居ます。しかしそれとは別に過去に甚大な被害をもたらした桁違いの個体が居ました。それらは個別に命名され、大規模な討伐戦が繰り広げられました」
大淀が明石に合図を出すと、準備してあったプロジェクターでスクリーンに画像が映し出される。
「超大和級戦艦をベースにしたと思われる巨大航空戦艦型深海棲艦の大艦隊、火山島の熱エネルギーを利用した菌糸生体兵器群、当時本土に存在した艦隊の2/3を単騎で擂り潰したモンスター……最近では、例のトラック泊地で確認されたドラゴンのような怪物。これ等が有名なネームレベルですね」
「うぅむ、こうして見ると他人事だが、よくもまぁ人類は滅びずに生き残っているものだ」
顎を擦りながら武蔵が唸る。
「ネームレベルが現れた際には、海軍の総力を挙げての大規模な討伐戦が繰り広げられましたからね。辛くも討伐はされています……多大は犠牲の上で」
「んでもって、今回の俺達の任務はめでたくその化け物認定を受けた黒い空母を、『蒼征』の連中と共同で捻り潰す事だ」
俺がそう告げると、会議室に静寂が訪れた。
「そこで、協力者である壬生森の野郎から提供された資料の出番なんだが……大淀」
「はい。皆さんの手元にある資料が、今回の標的である個体名『リバースド・ナイン』に関する資料です」
「リバースド・ナインだと?随分と意味ありげな名前じゃないか」
片方の眉を吊り上げて、武蔵が皮肉げに呟く。
「名付け親は最初に会敵したアメリカ軍のお偉いさんだとよ。その辺りも俺はクサいと睨んでいるが……まだ確定じゃない」
「しかしこれは……」
「なんというか……」
「正真正銘の化け物だよねぇ、被害を見る限りさ〜」
言葉に詰まる面々の中、歯に衣着せぬ物言いでお馴染みの北上があっけらかんと告げる。
「単純に空母ヲ級が単艦で艦隊行動が取れるほど強力になっただけならば、ウチの連中が総出で物量で押し
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