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提督はBarにいる・外伝
ミーティング・フォー・ブルネイ
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淀。

「しかし、歴代のネームレベルと今回の標的である『リバースド・ナイン』には明確に違う部分があります」

 そう言って大淀はホワイトボードに写真を貼り出していく。それも、何枚も。

「現時点で解っているだけで4度。この黒い空母は沈められ、海の底に向かって沈んでいくのが確認されています今回で5回目の出現確認……市ヶ谷の方でもこれが新たな量産型空母なのか、新たな姫級もしくは鬼級なのか、はたまた超常の存在であるネームレベルなのか……かなり議論が紛糾したそうです」

「現実的に考えたら強力な量産型と考えるのが自然なのでしょうが……何故政府はこれをネームレベルだと断定したんです?」

「それを成し遂げたのも彼の『蒼征』だそうですよ、赤城さん。新型深海棲艦の発見を発表する閣議の前の総理レクの段階で、壬生森提督がネームレベルだと断定できるだけの証拠を提出し、これを認めさせたそうです。明石」

 大淀が明石に目配せをすると、プロジェクターに繋がれたPCより、とある映像が出力される。海上を映したそれは、中心に小さな点を捉えている。カメラがズームで寄ると、海上に佇む漆黒の女性らしき人影が見て取れる。

「……これは?」

「壬生森提督の証言を信用するならば、『リバースド・ナイン』の沈没を確認した後、同じ海域で高出力の空電ノイズが観測されたために飛ばされた彩雲によって撮影された映像だそうです」

「よくこんな映像が撮れましたね……」

 パパラッチ青葉も感心する位に稀少な物らしい。

「問題はこの後です……リバースド・ナインらしき影がが大きく傷ついていますがーー」

「おいおいおい、まさか……」

「自己修復している、というのか……?」

 大きく損傷して傷付いていた箇所が怪しく紅く発光し、みるみる内にその傷が小さくなってやがて消えてしまった。存在するのは生気を感じない、あの青白い肌のみだ。

 その後、彩雲が深海棲艦の用いる艦戦らしき物に攻撃され、墜落して海面に叩き付けられた所で映像は終わっていた。この映像が残っているという事は、辛うじて彩雲に乗っていた妖精さんは助かったという事だ。不幸中の幸いだろう。

「高出力の空電ノイズ……その際のネガスペクトラム観測はどうなっている?」

「残念というべきか……バッチリ観測されちゃってますよ。座標はこの空撮が行われた辺りを中心に、広範囲に拡がっちゃってます」

 ほい、追加資料ですと会議室のテーブルの上に資料を広げていく。

「うぇ、waitwait!武蔵も青葉も勝手に納得して話を進めないデ!darlingも止めてヨ!」

「あん?何をだよ」

「そもそも、ネガスペクトラムって何デスか!?」

 やれやれ、そっからか。






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