機動戦士ガンダム
2234話
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俺達が……正確にはセイラがその部屋に入ると、その部屋の中にいた者達はざわめく。
その中の多くがセイラを見て驚いた様子を浮かべていたが……何人かは、俺やシーマの存在にも気が付き、驚きを見せていた。
そんな中で最初にこちらに近づいてきたのは、俺にとっても見覚えのある人物だ。
「アルテイシア代表、お久しぶりですね。まさか、ここで会えるとは思ってもいませんでした」
そう言いながらセイラに握手を求めたのは、マスクをした女……キシリア。
言葉では嬉しそうな様子を見せているが、その目には笑みが浮かんでいる様子はない。
……まぁ、それも当然か。グラナダの件もそうだし、サイド6にあったニュータイプ研究所の件にしても、その両方が突撃機動軍……いや、キシリアの管轄下だ。
その両方は、どちらも多くの労力を注いできたのに、それをルナ・ジオンが台無しにしたのだから、このような態度に出るのも当然だろう。
寧ろ、こうして表面上は大人しくしているという時点で驚いてもいいのかもしれない。
「ええ、久しぶりね。もっとも、今までの会話は映像越しだったから、こうして直接会うのは初めてだけど」
そう言い、セイラはキシリアと握手を交わす。
にしても、キシリアもいるのか。……いやまぁ、次期主力MSを決めるとなれば、当然それは突撃機動軍でも採用される事になる。
というか、ザクもドムもどちらも宇宙で使う事を前提にして開発なり改修なりをされた機体だ。
……つまり、ジオン軍はこの戦局が連邦軍によって押し返されると考えてる、のか?
連邦軍最後の軍事拠点たるルナツーを陥落させる為だけにこのような真似は……いや、まさかな。
ぶっちゃけ、今のジオン軍の戦力でもルナツーを攻略しようと思えば出来る気がする。
あくまでもジオン軍の全てが協力することが出来れば、の話だが。
ザビ家でギレン、キシリア、ドズルの3人がそれぞれ対立している今の状況では、とてもではないが一致協力してといった真似は出来ないだろう。
連邦という、戦うには巨大すぎる相手と戦いながら、身内同士で権力闘争を行う。
正直なところ、本当にジオン公国が独立戦争で勝とうと思っているのかどうかが分からない。
ああ、だからか?
身内同士で権力闘争をやっているからこそ、連邦軍が宇宙で勢力を伸ばしてくる事を前提とした次期主力機のコンペを行う。
そう考えると……まぁ、納得出来ない訳でもない、か?
「アクセル代表。貴方も来るとは思いませんでしたよ」
人前だからなのか、それともお互いの間にある差を理解しているからかは分からないが、キシリアの俺に対する言葉遣いは丁寧なものだ。
……セイラの時と同じく、決して目は笑っていなかったが。
「ジオン軍の次期主力MSのコンペ
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