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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第41話:X抗体
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「あ…」

ヒカリの脳裏に、大輔達と会ってからの毎日が過ぎる。

ヒカリは基本的に見ていることしか出来なかったが、自分に出来る精一杯をしてきた。

今までの努力を考えれば簡単に諦められるわけがなかった。

「お兄ちゃん…私…諦めたくないよ…!!」

「ヒカリ…そりゃあ、俺だって諦めたくないさ…でも…どうやって…」

運良く元に戻れても成熟期以上の進化が出来ないと言う問題が残る。

アポカリモンがあのような魔法めいたことも出来るなら今の自分達では足手まといになるのがオチになる。

「太一、弱気になっちゃ駄目だよ。こうしてる間にも大輔達は戦ってるんだ!!」

「俺も最後まで戦うよ!希望を捨てちゃ駄目だ!何とか元に戻る方法を考えよう!!」

「そうよ。今までだって、もう駄目だって思ったことは沢山あったけど、いつも私達一緒に戦い抜いてきたじゃない!!今回も同じように戦えばきっと!!」

デジモン達もまだ諦めてはいなかった。

諦めたくないのはこっちも同じだ。

しかし、今までと違うのはまともな対抗手段がないのだ。

「そうだけど……!データに分解されてしまったなんて……敵を倒すどころか、人間の形に戻れるかさえも分からないのよ!?」

「例え戻れたとしても、紋章が無かったら進化出来ないじゃないか!!」

「こんなこと、今までなかった……自分のデータを分解されてしまった時の対処なんて、誰にも分かりません!!」

元に戻る方法が分からない、紋章とタグがないから完全体や究極体への進化が出来ない。

どうすればと苦悩する光子郎にテントモンは静かに語りかけた。

「………ほんなら光子郎はんは、今までの戦いでどうやったら勝てるか、いつも分かってはったんでっか?」

「え?」

テントモンの言葉は、物事の核心を突いていた。

どうやったら勝てるかなんて、そんなこと考えもしなかった。

何時も綿密な作戦を立てて、戦いに挑んだ訳ではない。

いつだって行き当たりばったりで予想外なことが起きてもおかしくはない状態だった。

実際に予想外なことも沢山起こった。

「そうさ、冒険はいつでも初めてのことばかり」

「こういう時にはこうしたらなんて、何時だって知らなかったじゃないか!!」

デジモン達の言葉に子供達の胸から何かがこみ上げる。

「このデジタルワールドのことは何も知らなかった。次から次へと心臓が止まりそうになることばかり」

「でも、丈がいて仲間がいて、みんなで一緒に切り抜けてきたよ!!」

太一達の冒険と戦い、恐ろしい目に遭いながらも太一達は仲間達と協力し、苦難を乗り越えてきた。

「……その、初めはこんな所、早く逃げ出したいとばっかり思ってたけど
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