第八十七話
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第八十七話 少女達は知らず
華奈子は家で美奈子にこう言った。
「今日今田先生と今日子先生寝不足だったわね」
「わかるの?」
「うん、だってお二人共目の下が少しね」
そこでわかったとだ、華奈子は美奈子に話した。
「クマってまではいかないけれど」
「疲れた感じがしたの」
「少し寝ていないなってね」
「そういえばそうだったかしら」
「夜遅くまでゲームしていたのかしら」
ここでこう言った華奈子だった。
「それでかしら」
「いや、それはないわよ」
美奈子は華奈子の今の言葉はすぐに否定した。
「先生達ゲームをされてもね」
「夜遅くはなの」
「されないでしょ」
「そうなのね」
「華奈子もしないけれどね」
華奈子は基本早寝早起きなのでそれでゲームをしても夜遅くまですることは決してしないのだ。十時位になると眠くなる体質なのだ。
「それでもよ」
「それはないの」
「それよりもね」
美奈子は考える顔になって華奈子に話した。
「お酒か読書か」
「どちらかでなの」
「夜遅くまでね」
楽しんでいてというのだ。
「そのせいで、じゃないかしら」
「先生達はそちらだっていうのね」
「先生のお家ワインのボトル多いでしょ」
「リビングにお邪魔したらいつもあるわね」
「それによく本のお話もされてるし」
今田先生も今日子先生もだ。
「サガンとかユゴーとかいつも言っておられるし」
「ユゴーってああ無情のよね」
「あの作品の人よ、そういうのを読まれていて」
そしてというのだ。
「夜更かしされたんじゃないかしら」
「それかお酒か」
「そうじゃないかしら」
「そのどちらかなの」
「寝不足だとしたらね、けれど華奈子よくわかったわね」
「目の下見たらわかったの」
先生達の寝不足、それがというのだ。
「これはってね」
「よく見てるわね」
「そうかしら」
「ええ、まるで探偵ね」
こうも言う美奈子だった、華奈子の観察力を素直に称賛してもいた。だが二人共先生達の寝不足の原因まではわからなかった。
第八十七話 完
2018・9・12
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