第十幕その十
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「これ星条旗の色だね」
「それがいいって思ったのよ」
「アメリカを思い出して」
「そう、それでね」
そのうえでというのです。
「この配色にしたのよ」
「アメリカを思い出して」
「そうなの、最初はエメラルドの都みたいにね」
「緑にしようと思ったんだ」
「けれどそれだと芸がないと思って」
それでというのです。
「アメリカの配色にしたのよ」
「そうなんだね」
「黄色にしたらウィンキーだったね」
そのウィンキーの皇帝である樵が言ってきました。
「そうだったね」
「ええ、けれどそれもね」
「同じになるからだね」
「独創的でいきたいから」
エリカとしてはです。
「その色にしたの」
「成程ね」
「うん、大きさも猫に合わせているしね」
かかしは宮殿のサイズについて述べました。
「エリカにとっては住みやすいね」
「そうした宮殿でしょ」
「かなりね」
「それでここにいてよ」
皆を王の間に案内するとそこには玉座があります、黄金で飾られたその玉座にちょこんと座って言ったエリカでした。
「私は政治を行うのよ」
「人みたいにどっしりと座らないね」
このことを言ったのはジョージでした。
「オズマ姫みたいにレディーの座り方もしないし」
「この通り猫座りよ」
「そうだね」
四本の足で座っています、玉座の席の上に。
「そうしているね」
「それでこうもするわ」
寝転がりもしました。
「そうしてね」
「政治をするんだね」
「そうするわ、それで今日はね」
「今日は?」
「とりあえず今来ている猫達の役割を決めたから」
「それでなんだ」
「終わったわ」
まさにというのでした。
「今日の政治はね」
「じゃあどうするのかな」
「やることが終わったらね」
それならというのです。
「寝るわ」
「そうするんだね」
「何かあったら起こしてね」
今度は玉座の上で丸くなって言うのでした。
「そうしてね」
「それでまた明日なんだ」
「政治をするわ」
「のんびりしているわね」
アンはそのエリカに言うのでした。
「随分と」
「だから別にね」
「焦る必要がないから」
「それでよ」
だからだというのです。
「焦らないのよ」
「いつも通りってことね」
「私にとってのね」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
さらに言うのエリカでした。
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