第十幕その九
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「本当にね」
「のんびりした考えね」
「だから焦ってもね」
それでもというのです。
「仕方ないでしょ」
「だから焦らないの」
「そうよ、じゃあ今からね」
エリカは一行の前にすたすたと出ました、そうしてです。
その猫達の前に出て言いました。
「皆よく来てくれたわね」
「あっ、エリカさんお話は聞きました」
「今からここに猫の国を築かれるんですよね」
「そうですよね」
「そうよ、それで皆に宣伝したのよ」
こう猫達に言うのでした、見ればシャム猫にスコティッシュフォールドにペルシャ猫と色々な種類の猫がいます。勿論日本の猫もいます。
「ここに国が出来たから来てってね」
「はい、そうですね」
「それでこちらに来ました」
「それではですね」
「これからここに住んでいいんですね」
「そうよ、国の一切は私が治めるから」
女王である彼女がというのです。
「そうしてね」
「はい、それじゃあ」
「これから宜しくお願いします」
「この国を治めて下さい」
「そうさせてもらいます」
「さて、あんたはお魚売って」
白いマンチカンを見て決めました。
「市場で頑張ってね」
「わかりました」
「お魚屋さん向いてそうだから」
エリカの見たところです。
「そうしてね」
「そうさせてもらいます」
「あんたは役場にいて」
綺麗な毛並みのアメリカンショートヘアにも声をかけました。
「それで役人として働いてね」
「では」
「それでね」
エリカは猫達にそれぞれその場で何をすればいいのか告げました、それが終わってから各自にお部屋やお店をアレンジする魔法のステッキを配ってです。
自分は王宮に入ってそのステッキを使いました、すると猫の絵や大理石の像で飾られ爪とぎの板や遊ぶ場所がふんだんにある王宮というよりはアスレチックの場所みたいなものになりました。
その宮殿を見てです、ジョージは言いました。
「あの、何かね」
「素敵な宮殿でしょ」
「何かアスレチックのコーナーみたいだけれど」
「だってこうだったらね」
「遊べるからなんだ」
「こうしたのよ」
エリカはジョージに答えました。
「そうなのよ」
「猫が遊べる様になんだ」
「そうよ、よく寝てよく遊ぶ」
エリカはジョージにこうも言いました。
「そしてよく食べる」
「それが猫だからだね」
「そう、猫だからよ」
それでというのです。
「宮殿もこうしたのよ」
「そうなんだ」
「それで色はね」
その色はといいますと。
「この通りよ」
「赤と白、青が多いね」
宮殿のあらゆるものがその三色で飾られています」
「そうなってるね」
「これはね」
「うん、どうしてこの三色なのかな」
「それはあれよ、私が前にいたアメリカの色よ」
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