秋祭りにはお熱い犬を?・その3
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作ったばかりのチリミートを使って早速、チリドッグを作る。パンを軽くトーストしつつ、ソーセージを焼いて温める。パンにソーセージを挟んだら、仕上げにチリミートをかけてやれば完成だ。
「はいよ、『チリドッグ』だ。食べてみて辛かったら、粉チーズを振ってやれば少しはマシになる」
「「「「「「いただきま〜す!」」」」」」
一斉にかぶりつく一同。ジューシーなソーセージを引き立てる、チリミートの辛味とトマトの酸味。
「う〜ん、やっぱりAdmiralの料理は最高ね!」
「ホントホント、ビールも進むわぁ〜♪」
「もう少し辛くてもいいかも?」
「「「乾杯〜!」」」
もう完全に試食の事忘れてやがるな、アメリカ組は。フリーダム過ぎるだろ、自由の国。
「う〜ん、大人も子供も食べる事を考えると、少し辛いかしら?」
「でもでもぉ、これ以上甘くするとただのミートソースよぉ?」
「まぁ、その辺はドーンと霞ちゃんにお任せしましょう!」
「ちょっと大潮!?丸投げすんじゃないわよ!……でもまぁ、これくらいならトッピングにチーズをプラスしたりすればマシになるとは思うわ」
と、真面目に議論を重ねている霞達。
「買う前に辛い事を説明するか、最悪チリミートを味見させるってのも手だと思うがな」
辛さがどんなモンか買う前に判れば、買うか否かの選択がしやすいだろうしな。
「成る程……そういう手もアリね」
霞は難しそうな顔をして悩んでいる。そんなに大事かねぇ?鎮守府の秋祭りが。
「……なぁ、そんなにムキになってやる事か?出店」
「はぁ?何言ってんのよ。アンタの為に皆頑張ってんじゃない」
何を言ってるんだコイツは、みたいな呆れ顔で霞に罵倒された。
「いい?どこの世界だって他の国の軍事基地が自分の国に居座ってたら嫌われるわ。反感が強くなればそれだけ私達は動きにくくなるのよ?それを緩和する為に地域の人達を招いて催しをやるんでしょうが」
「お〜、ご立派ご立派。霞がそこまで考えてたとはな」
思わず感心して、パチパチと拍手を贈る。誰にも明かした事はなかったが、毎年恒例になってしまった秋祭りの開催経緯をほぼ正確に捉えてやがる。
「な、何よ!バカにしてんの!?」
「いやいや、マジで褒めてんだって。俺が手放しに褒めるなんて滅多にねぇぞ?有り難く頂戴しとけって」
「滅多に褒めないから逆に疑わしいんでしょ!?」
あ、そっち?
「でもなぁ、そこまで気張ってやる必要はねぇんだって。来てもらう客も、店出してる側も楽しんでこそ祭りだ。そうだろ?」
そう言いながら俺は冷蔵庫から出した瓶の中身をホットドッグに追加して挟んでいく。
「ちょ
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