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提督はBarにいる。
秋祭りにはお熱い犬を?・その3
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 霞は眉間に皺を寄せている。

「なんかこう、客寄せになるインパクトのあるメニューが足りない気がすんのよ」

「ジャンクフードにインパクト求めんのは酷ってもんだろうがよ」

「……ねぇ、シカゴドッグは出さないの?」

「シカゴドッグ?」

 アイオワが聞いてきた事に首を傾げる霞。

「シカゴドッグってのは、名前の通りアメリカのシカゴ名物のホットドッグの事さ」

 シカゴって街は、ハンバーガーの店よりもホットドッグの店の方が多いっていうホットドッグの街だ。そんな街の名物のシカゴドッグには、佐世保バーガーのような定義がある。

・ソーセージはビーフをメインにしたフランクフルト(別の物を選べる店もあります)

・バンズにはポピーシードをまぶした物を使用する

・コンディメント(調味料)はマスタードのみ!ケチャップはご法度!

・トッピングは玉ねぎ、レリッシュ(玉ねぎやピクルスのみじん切り)、トマト、縦長に切ったピクルス、ホットペッパー等野菜たっぷり!

・仕上げにセロリソルトで香りと塩気をプラス!


「……とまぁ、こんな所だな」

「ふぅ〜ん……で、セロリソルトって何よ?」

「セロリソルトってのは、セロリの種と塩を混ぜたハーブソルトみたいなモンだな。ウチではカクテルに使う為に置いてるぞ?ほれ」

 と、霞にセロリソルトの小瓶を手渡してやる。遠慮無く蓋を開けて匂いを嗅ぐ霞。

「名前の通り、セロリの匂いがするわね……っていうか、こんな匂いの強い物カクテルに使って美味しいの!?」

「ところがどっこい。ブラッディーメアリーを代表するトマトジュースを使ったカクテルレシピには、本来隠し味程度にセロリソルトを加えるのが本式なんだなぁコレが」

 セロリとトマトって奴は存外相性がいい。セロリの香りがトマトの風味を引き立てるからだ。バジルでも似たような事が出来るが、香りが強すぎてトマトが負けてしまう。程よく香ってトマトを引き立てるセロリソルトは正にうってつけ。下戸な奴でもトマトジュースにセロリソルトとタバスコをちょいと加えて飲んでみて欲しい。段違いに美味くなる。勿論、セロリが苦手という奴が多いから、省かれる事が多いのも事実だが。

「物は試しだ、シカゴドッグ……食ってみるか?」

「まぁ、試してみようかしら?」

 口ではそんな事を言っているが、期待しているのかこっちをチラチラと窺っている。

 俺は手早くソーセージを焼き、バンズにマスタードをたっぷり塗る。

 焼き上がったソーセージとトッピングの野菜を乗せ、仕上げにセロリソルトを振り掛ける。

「バンズはポピーシード付きのじゃねぇが、『シカゴドッグ』だ」

「うわぁ、派手ですねぇ!」

「野菜もたっぷりで
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