第6章:束の間の期間
第182話「連絡と異常」
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きです〉
「……善処する」
〈出来てません。そう言って出来た試しがありません〉
優輝も改めてリヒトとシャルに指示を出す。
尤も、無理している事を思い切り指摘され、返答もばっさりと切られていた。
「……時々、優輝君ってリヒトに信頼されてるかされてないか分からない時あるよね」
「そうね……」
その様子を見て、司と奏は苦笑いしながらそう言う。
「でも、優輝君の事をよくわかってるからこその言葉でもあるね」
「確かに……」
「……導王の時からの付き合いだから、私達以上に優輝君を知ってるんだろうなぁ」
相棒でもあるデバイスなのだから、仕方ない事ではある。
それでも、何となく司はリヒトの事が羨ましく思えた。
「………」
〈解析も同時に行っていますが……かなり高度で複雑な術式です。私達でサポートして肉付けしている部分だけでも、かなりの量になりますね……〉
「そ、それほどなの……?」
〈はい。そして、これほどの術式を瞬時に思いつくとは……〉
無言のまま根幹の術式を組み、それを各デバイスが肉付けするように形にしていく。
その最中、シュラインは同時進行で優輝が既に組んだ部分の術式を解析していた。
そして、その解析結果に、デバイスでありながらも驚愕していた。
〈……最早、人間業ではないとまで言えます〉
「っ……!」
〈おそらく、感情を失っているから出来る所業でしょう。余計な感情がない分、術式の構築、その一点に集中出来ます。……尤も、それでも人並外れていますが〉
司は息を呑んだ。
改めて、優輝の凄まじさを見せつけられたからだ。
今まで何度もそう言った場面はあったが、司もそれに慣れていた。
しかし、感情を失い、機械的になった不気味さが、再び驚愕に繋がっていた。
「(優輝君は……本当に、何者なの……?)」
また、守護者と戦闘している時に、なのはと奏……“天使”が発した言葉。
“天使”は、優輝について喋っていた。
そのために、何かしらの関係があると司は見ていた。
だからこそ、優輝すら知らないであろう“秘密”を、司は気にしていた。
「(……ううん。今気にしても意味ない……ね)」
だが、今考える事ではないと、司は判断し、その思考を隅へと追いやる。
……否、心の片隅で優輝を“得体の知れない存在”だと思う事をすぐにでもやめたかったため、無理矢理中断した。
「……出来た」
「これが……」
概念的視点から調査するための術式。それがついに完成する。
効果としては、周辺の空間に概念的作用が働いているか感知するというもの。
それ以外にも様々な効果があるが、ここでは割愛する。
「魔
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