第6章:束の間の期間
第182話「連絡と異常」
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はなく、段々と細かい部分に調査をシフトしていく。
「(……土地にも特に異常はなし。……鈴さんは“縁”に原因があると見ていた。ならば、そう言った概念的視点から確かめた方が早いかもな)」
優輝もまた、周辺の土地そのものを調べていた。
そして、原因は概念的分野にあると睨み、それを調べるために準備をする。
魔力と霊力、そのどちらかだけ使うのでは足りないために、その二つを掛け合わせながら術式を組み立てていく。
「っ……!なんて、術式……!?」
〈魔法と霊術の複合!?理論上は可能とはいえ、ここまで高度なのを組み立てるなんて……!感情を失った事で効率化しているとしても、彼の底が知れなさすぎる……!〉
その力の流れと術式に、鈴が気づく。
そして、マーリンと共にその術式に驚愕した。
「ちょっ……優輝君!?」
「優輝さん……!?」
数瞬遅れて司と奏も驚愕する。
何度も高度な術式を扱う所を見てきたが、それでもいきなりは驚く事だった。
「っ……処理速度が足りない……リヒト、シャル」
〈ここまで高度なものになるとそれ以前に魔力も霊力も足りませんよ。マスター〉
〈まず、他の方に助力してもらうべきです〉
膝を付き、地面に術式を組んでいた優輝だが、息を切らしてそれを中断した。
リヒトとシャルにサポートを頼むが、呆れたように二機はそう進言した。
「……それも、そうだな」
「今、何をしようとしていたのかしら?」
「概念的視点から辺り一帯を調査するための術式だ。地道に探すよりも、こっちの方が効率的だと判断したんだ魔法と霊術を混ぜたが……少し、計算違いだな」
「概念的……そんな高度な術式を即座に組み立てようとするからよ……」
驚きを通り越して、鈴は呆れて溜息を漏らす。
「まぁ、効率的なのは理解できるわ。霊力は私が担当。貴女達は魔力を頼むわ。マーリン、術式構築の支援は出来るかしら?」
〈重要な箇所は彼の脳内にしか理論がないから外側だけだね〉
しかしながら、鈴もそれが効率的だと理解しており、すぐに指示を出す。
肝心な部分は優輝本人に任せ、それ以外をサポートするようにした。
「シュラインも術式のサポートを!」
「エンジェルハート」
〈分かりました〉
〈微力ながら私も手伝います〉
魔力を供給するだけでいい司と奏は、すぐに自身のデバイスに、マーリンと同じように術式構築のサポートをするように指示する。
「……リヒト、シャル」
〈……分かりました。ただ、術式の核となる部分だけに集中してください。先ほどの時点で、脳が焼き切れる程の処理能力が必要だと判明しているので〉
〈マイスターはもう少し自身の限界に合わせるべ
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