第6章:束の間の期間
第182話「連絡と異常」
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ら相当よ。……生憎、日常でのとこよの事は大して知らないけどね」
鈴は死んでからとこよに会っていたため、普段のとこよは知らない。
ただ、諦め悪く前向きな事はよく知っていた。
『普段の奴の事なら、吾が知っている。……尤も、普段の奴は座学をサボりがちで不真面目な能天気者だがな』
「……ちょっと、予想外ね」
「そ、そこまで普段と違うんだ……」
代わりに悪路王が普段のとこよについて語った。
なお、その内容と自分の知っているとこよの側面の違いに、鈴が一番驚いていた。
『だが、それでも芯の通った人間だ。それだけは変わりない』
「悪路王も認める程なのね……」
「なんだか……凄いなぁ……」
感慨深そうに、司は感想を漏らす。
「……着いたよ」
「っと、話し込んでいたわね」
優輝の言葉に、全員が立ち止まる。
大門が存在した場所は、瘴気の影響で植物が完全に枯れていた。
そのため、ちょっとした空き地のようになっている。
「っ……やっぱり、まだちょっと瘴気が残ってる……」
「そればかりは仕方ないわ。……さて……」
幽世の大門は既に物理的には見えなくなっている。
しかし、大門がその場にあった事もあって、未だに瘴気が残っていた。
すぐさま霊力でカバーし、優輝達は瘴気の影響を跳ね除ける。
「まずは大門の確認よ」
そういうや否や、鈴は霊力を用いて大門の状況を探る。
とこよによって閉じられたとはいえ、確かめておいた方が無難だからだ。
「………大丈夫、ね。再び開く気配もなし。完全に閉じられてるわ」
「よかった……」
「まぁ、これは前座。本命は調査の方だもの。これで異常があったら困るわ」
苦笑いしながら、鈴は封印を確かめていた霊力の使用を止める。
そして、気合を入れ直すように袖を捲る。
「調査と言っても、何から取りかかればいいかな?」
「さっきは封印しか確認しなかったけど、様々な点において調べた方がいいわ。確か、開いた原因は魔法に関わるものだったでしょう?だったら、魔法の観点からも調べた方がいいわね」
「なるほど……」
「じゃ、始めましょう。少しの異常も見逃さないで」
鈴のその言葉を合図に、全員で調査に取り掛かる。
「(霊脈の流れに大した異常は見られない。少しばかり乱れているのも、おそらく大門が開いた影響……これは定期的に確認しないと異常か分からないわね)」
「司さん、どう?」
「魔力で探ってるけど、残滓ぐらいしかないかな……大体が瘴気に呑まれてる感じ」
「そう……細かい所を探ってみるわ」
鈴は霊脈から、司と奏は魔法関係から調査する。
大まかな部分はどちらにも異常
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