第6章:束の間の期間
第182話「連絡と異常」
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「行く場所?えっ、それ私たちも聞いてないよ?」
続けられた言葉に、アリシアが反応する。
「言ってなかったからね。鈴さんと一緒にちょっと調査にね」
「調査?……って、“鈴さん”って……」
聞きなれない名前に、聡や玲菜は首を傾げる。
「事件解決に協力してくれた陰陽師の人だよ」
「……陰陽師、実在したんだな」
簡潔な説明に、聡はそういうしかなかった。
「でも、調査ってどこに?」
「大門があった場所だよ。どんな影響が残っているか、どこか異常はないか……とかね。封印自体は大丈夫なはずだから、危険はないはずだよ」
「あそこを……」
「そういう訳だから、私と奏ちゃんはあまり長居できないんだ。ごめんね?」
半分ほど聡達にはなんの事かわからない会話だったが、それでもまだやる事が残っている事はなんとなく理解する事ができた。
「それなら……しょうがないか。俺たちには何もできないんだし……」
本当は戻って来たならいておいてほしい聡。
しかし、やるべき事があるなら仕方ないと諦める。
「一度は会っておこうと思って来たからね。アリシアちゃん、後は頼んだよ」
「まっかせてー!そっちも妖がいなくなったからって油断しないでね」
年長者のアリシアに後を任せ、ある程度皆に挨拶をしてから司と奏は戻っていった。
「あ、そうだ。なのはとかも、一回家族に顔を見せてきたら?連絡を取っていたとはいえ、やっぱり顔を合わせておいた方がいいでしょ?」
「いえ、後で構わないわ。来る前に連絡を入れておいたし」
「私も、後でいいかな」
「わ、私は……私も、後でいいかな……?」
ふと思い出したように提案するアリシア。
アリサとすずかは事前に連絡を入れていたようで、その提案に乗らなかったが、なのはは二人と違って連絡を入れ損なったため、少しどうしようか悩んだ。
「……連絡、入れ忘れた?」
「うっ……アリサちゃんとすずかちゃんみたいに、事前には……」
「まぁ、どうするかはなのはの勝手よ。とりあえず、連絡してないなら今すればいいじゃない。何のためのケータイよ」
「あ、そっか」
アリサに言われるなり、ケータイを取り出してなのはは士郎たちに連絡を取る。
「……戦いが終わってどこか抜けてるのかしら?」
「あはは……まぁ、やっと終わった安心感は否定できないね」
その様子を苦笑いしながら見届け、アリサとすずかは互いに顔を見合わせる。
「さぁさぁ、何をするにしても、一旦戻って戻って!先生たちが困ってるよ!」
アリシアが大声でそう言いながら、皆で学校へと戻っていく。
色々話す事があって大変だと思いながらも、皆を安心させるた
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