第6章:束の間の期間
第182話「連絡と異常」
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りあえず……終わった、のか?」
「うん。事件は解決したし、後は体制を整えて復興が終わった所から避難が終わるようになっているはずだよ」
「皆は……無事なの?」
「大きな戦闘があって、無事……とまではいかなかったけど、五体満足だし、回復もしてきたからね。今はそこまで心配する必要はないよ」
皆が最も聞きたかったであろう質問を、聡と玲菜が尋ねる。
司は安心させるように、その質問にきっちり答えた。
「……優輝は……どうしたんだ?」
「優輝君は…一番頑張ってたのもあって、まだ回復しきれてないんだ」
「ちなみに、神夜もまだ休む必要があるから、来てないよ」
優輝がいない事に気付いた聡が、恐る恐る尋ねる。
聞かれるだろうと予測していた司とアリシアは、嘘を少し交えて誤魔化す。
「そうか……」
「他の場所は……どうなってるんだ?」
「海鳴市が一番マシだからね……。ラジオとかで情報は出てた?」
「一応は……京都がやばかったって事は流れてた」
日本全体に妖がいても、情報機関は何とか人々に情報を届けようとしていた。
その僅かな情報の一つが、京都で妖が溢れかえっているというものだった。
「やっぱり日本全土だったから、情報も滞ってるんだね……」
「一応、電波は無事だったみたいだったけど……」
「撮る人がいなきゃ、意味ないよね」
妖は無差別に破壊活動をすることは少なかった。
人を襲う際に副次効果として家などが破壊されていたため、人の被害に比べて電波塔が無事な場合が多く、電波が無事な地域も多かった。
特に海鳴市やその周辺はほとんど無事だった。
ただし、肝心の映像を撮影する人や余裕がなかったため、何も流れなかったが。
「話を聞いた限りだと、沖縄と北海道の両端は被害が少なかったみたい。……というか、特に被害が大きかったのは基本的に東京や京都だったかな」
「どちらも都があった地域だからね」
「都……江戸とかか?」
「そうそう。妖怪とかの伝承も影響してたから、それで被害が大きかったみたい」
詳しい事はあまり知らない聡だが、その言葉を聞いて納得した。
同時に、それだけ被害が出て大丈夫なのかと心配した。
「……見る?今の京都の様子。相当荒れてるけど……」
「いや……やめとく」
気にしていたのを司に見破られる。
その際に、シュラインに記録されている映像を見るか聞くが、断られる。
「とにかく……皆、無事でよかった……」
「心配掛けてごめんね。でも、私たちが動かないといけなかったから」
玲菜の言葉に、申し訳なさそうにしながら司が言う。
「それと、私と奏ちゃんはこの後行く場所があるから……」
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